麻布菩薩像(読み)まふぼさつぞう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「麻布菩薩像」の意味・わかりやすい解説

麻布菩薩像
まふぼさつぞう

8世紀の作。正倉院南倉の伝来品。麻布2枚をつないだ画面いっぱいに,墨一色で描かれた乗雲菩薩像。墨のにじみや形のくずれもいとわぬ無造作な運筆からは,壁面装飾用に大量生産されたものであることが知られる。菩薩の動勢や生気ある表情を巧みに表わす描線は,奈良時代画人の習熟した絵画技術の一端を示す。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android