3月のライオン(読み)さんがつのらいおん

知恵蔵 「3月のライオン」の解説

3月のライオン

羽海野チカのマンガ作品。「ヤングアニマル」(白泉社)2007年第14号(7月発売)から連載中で、単行本は9巻まで発売中(14年4月時点)。将棋プロ棋士である高校生の桐山零(きりやまれい)を主人公に、ライバルの棋士達とのしのぎを削る熱い戦いや、和菓子屋「三日月堂」を営む川本家の3姉妹らとの温かな交流を、月島下町を舞台に描いている。過去の出来事からトラウマを抱えた零が天才棋士として成長していく様子と、3姉妹らの影響で心を開いて生き方を模索し人間として成長する様子の両方が、作品の魅力となっている。将棋の監修は棋士の先崎学8段による。
零は、両親と妹が事故で他界し、父の友人の棋士である幸田に引き取られて育った。零の父はかつて棋士を目指していたが医師になるために断念しており、零も幼い頃から将棋をしていたため、幸田は零を内弟子とする。しかし、棋士としての才能に恵まれた零は、幸田の実子から疎まれ、プロになった後は幸田家を出て独立。川本家の長女あかりとの出会いをきっかけに川本家の3姉妹との親交を深めるようになり、徐々に他者との関わりを見つめ直し、自分の居場所や自分の将棋を見つけていく。
個性あふれるライバルや先輩棋士達との対局を、その背景にある人間ドラマも含めて描いており、将棋ファンならずとも多く読者を獲得している。
同マンガは2011年に第4回マンガ大賞2011、第35回講談社漫画賞一般部門を受賞、14年には第18回手塚治虫文化賞マンガ大賞に輝いた。

(若林朋子  ライター / 2014年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉プラス 「3月のライオン」の解説

3月のライオン

羽海野チカによる漫画作品。東京下町に住む若きプロ棋士の少年と3姉妹との交流を中心に将棋の世界を描いている。『ヤングアニマル』2007年第14号より連載開始。第35回(2011年度)講談社漫画賞 一般部門受賞、マンガ大賞2011(2010年度)大賞ほか受賞。アニメ化、実写映画化作品もある。

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