SIMフリー(読み)シムフリー

デジタル大辞泉 「SIMフリー」の意味・読み・例文・類語

シム‐フリー【SIMフリー】

SIM free》⇒SIMロックフリー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「SIMフリー」の解説

SIMフリー

SIMカードの種類を選ばずに使える携帯電話、またそのシステムのこと。SIMカード(Subscriber Identity Module Card)とは、電話番号などの識別情報が記録されたICカードのことで、このカードを差し込むことで携帯電話が使用可能になる。電話機の中には、特定のSIMカードだけで利用できる機能が組み込まれており、これをSIMロックと呼ぶ。
日本の携帯電話は、販売店が新規顧客を獲得するたびに、キャリア一定奨励金を支払うシステムが一般的だった。この販売奨励金制度というシステムが、携帯電話の原価割れ販売などを可能にした。長期の契約を確保することによってその差額を埋めることになるのだが、キャリアが奨励金を回収するまで、他キャリアへ乗り換えたり機種を変更したりできない仕組みを維持することが必要となる。このために携帯電話にSIMロックがかけられるのが当たり前だった。しかし、SIMロックされた携帯端末には使用者の利便性を損なう様々な要素がある。普段使っている携帯電話を海外に持ち出したときに海外キャリアのSIMを差しても利用できないなどの不都合はその代表的な例である。販売奨励金制度も2008年を境に廃止され始めたため、SIMフリー化への要求が高まっている。
2010年、総務省はSIMロックの解除を携帯キャリア各社に求め、同年4月、大手キャリア4社は原則解除することに合意し、ユーザーは自由に端末とキャリアを組み合わせて使える可能性が広がった。メーカー側はキャリアに依存しない端末を開発できるため、開発コストを抑えられると同時に広いマーケットに向けて販売が可能となるメリットがある。SIMロックの解除されたSIMフリー携帯が市場に出回ることで、企業間の競争が激しくなり通話料の値下げなど利用者の利便性が高まるとも考えられている。
一方、SIMフリー制度にはデメリットも存在する。キャリア各社が推奨しているデータ通信プランなどはSIMロックを前提に料金体系が決められているため、SIMフリーが増えた場合には料金が上昇する可能性が否定できない。キャリアの独自サービスの中にはSIMフリー端末では利用できなくなるものも存在する。海外製の端末や他キャリアの端末などを使用した場合に出てくる不具合や故障もSIMフリー化の問題の一つだ。
SIMフリーには多くのメリットとデメリットが存在するため、ユーザー、キャリア、メーカーの要望意向により柔軟に運用されるものと思われる。iPadのSIMロック化販売などは時代の流れにあえて逆行しながらも、SIMロックのメリットを確保したいキャリアの意向が強く反映された事例だ。

(佐橋慶信  ライター / 2010年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

パソコンで困ったときに開く本 「SIMフリー」の解説

SIMフリー

通信端末に、特定の通信事業者のSIMカード以外は利用できない「SIMロック」がかかっておらず、通信事業者を自由に選べる状態になっていることです。通信規格が合い、国内で使用する認証を取得している機器であれば、通信事業者を問わず利用できるため、MVNOの通信サービスを利用する際に利用されます。
⇨MVNO、SIMカード

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「SIMフリー」の意味・わかりやすい解説

SIMフリー
しむふりー

SIMカード

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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