世界大百科事典(旧版)内のadoptionismの言及
【キリスト論】より
…しかしキリスト教がパレスティナを出てヘレニズム世界に入るとこのキリスト理解に変化が生じ,神秘宗教的にイエスを神的人間と見なし,〈キュリオスkyrios〉(主)と呼ぶようになった。パウロはこの呼び名を用いてはいるが,内容的にはイエスの十字架・復活がイエスをして神の子・キリストたらしめていると考え,すでにユダヤ教に見られる〈養子説adoptionism〉に従って,ダビデの子が神の子とされたと語った。《ヨハネによる福音書》や《エペソ人への手紙》はキリスト先在を語っているが,これは思弁的なものではなく,神の永遠の救いの計画と受肉によるその実現を表している。…
※「adoptionism」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」