キリスト養子説(読み)キリストようしせつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キリスト養子説」の意味・わかりやすい解説

キリスト養子説
キリストようしせつ

2つのキリスト教異端説。 (1) adoptionism キリストは単なる人間であったが,洗礼の際神より贖罪の使命とその力が与えられ,神の養子となったとする説。 190年頃ビザンチンのテオドトスが唱え,それを継いだサモサタのパウルスは 261年のアンチオキア教会会議で断罪された。 (2) adoptianism 8世紀末にトレドの大司教エリパンドスが唱えた説。キリストは神性においては生れながらに神の子であるが,その人性にあっては神の養子にすぎず,諸聖人もその点では変らないとする。ハドリアヌス1世に断罪されたエリパンドスはウルゲルの司教フェリクスの支持を求め,後者はヨークのアルクインと論争のはてに,798年ローマ教会会議で破門された。この説は 12世紀に P.アベラールとその追随者に再び取上げられた。

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