世界大百科事典(旧版)内のcodonの言及
【RNA】より
…(3)さらに真核生物のmRNAが原核生物のmRNAと異なる点は,その多くが,特別な性質をもつ長い前駆体分子(heterogenous nuclear RNAと考えられている)として転写され,スプライシングの過程を経て完成することにある(詳しくは〈遺伝情報〉の項目の転写の部分を参照)。完成されたmRNAは細胞質内でリボソームと結合し,転移RNAの関与のもとに,3塩基ずつの単位(コドンcodon)で,順次アミノ酸の配列に翻訳されていく(遺伝情報の翻訳)。mRNAはリボソームRNAや転位RNAとは異なり,代謝的に不安定であり,細菌のmRNAは通常数分間程度で分解される。…
【遺伝暗号】より
…遺伝情報を担う核酸分子の塩基配列がタンパク質のアミノ酸配列に翻訳される場合の暗号のこと。暗号の単位をコドンcodonといい,核酸分子の隣接する3個の塩基の配列に対応する。通常この三つ組(トリプレットtriplet)は,塩基の頭文字をとったアルファベットの4文字(A,U,G,C)を三つ並べて表記する。…
【遺伝情報】より
…
[遺伝情報の翻訳]
mRNAの塩基配列として転写された遺伝情報は,リボソーム上でアミノ酸の配列にうつしかえられるが,この過程を翻訳translationという。mRNA上の3個の塩基配列が単位となって,1個のアミノ酸を指定しているが,この3塩基からなる単位をコドンcodonと呼ぶ。コドンをアミノ酸に解読する過程には,tRNAが関与し,tRNA分子のアンチコドンanticodon部位の3塩基が,コドンの3塩基と相補的な対合をすることで解読が成立する(〈RNA〉の項目の転移RNAの部分を参照)。…
【タンパク質合成(蛋白質合成)】より
…おのおのの種類のタンパク質分子は,定まったアミノ酸配列をもち,配列順序に関する情報は,遺伝子DNA上に塩基配列として書き込まれている。1個のアミノ酸に関する情報は,3個の隣り合った塩基配列(トリプレット)として書かれ,この3塩基の連なりをコドンcodonと呼ぶ。例えば,100個のアミノ酸残基よりなる特定のタンパク質分子種を考えた場合,遺伝子DNA上の300塩基の連なりの部分が,このタンパク質のアミノ酸配列を規定する遺伝情報になっている。…
※「codon」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」