世界大百科事典(旧版)内のhamletの言及
【集落】より
…(1)農場または家屋敷farmstead,homestead マイツェンの孤立荘宅に当たる。(2)小村hamlet ドイツのワイラーWeilerまたはドルッベルDrubbelに相当し,村落villageよりも小規模で,多くは6~8戸よりなり,小規模のため教区を形成しないもので,教会や学校は通常もたない。(3)クラッヘンclachan 20戸までの小農民からなる不規則な平面形をもった集落で,大きいものは村落と変わらないものもある。…
【村】より
… ところで,中世における各種の文書史料ならびに17,18世紀に作製された残存の耕地図などにより,ヨーロッパの集落形態を考えてみると,それには大きく分けて次の三つのタイプが,中世以来存在していたことがわかる。すなわちその一つは,ほぼ30戸前後の農民家屋敷がおのおの自家の菜園地を伴いながら,〈むら〉の中心部に核をなして密集し,その周囲を垣根や柵で取り囲み,その外側にいくつかの共同耕区がひろがり,さらにその外側に森林,牧草地,荒蕪地などの入会地をもつという,三圃農法に最も適合的な〈集村Haufendorf〉であり,第2は10戸前後のルーズなまとまりで,共同の入会地や耕区もあるが,各戸別の耕地も不規則に散在する〈小村〉,すなわちゲルマン地域で〈ワイラーWeiler〉,イギリスで〈ハムレットhamlet〉などと呼ばれる形態であり,第3のタイプは,家屋敷の周囲に各戸の菜園地やブロック状の大小さまざまな耕地,あるいは牧草地などをもち,一戸一戸が分散して,団体規制のきわめてゆるい〈散村Einzeldorf〉である。このほか,干拓や開墾により計画的に道路に沿って規則正しく各戸の家屋敷,菜園地,耕地,牧草地などをもつ〈街村Strassendorf〉,あるいはスラブ系諸族の地域にみられる〈円村Rundling,Runddorf〉などのタイプがあるが,西ヨーロッパの主要な集落形態は,上述の三つと考えてよい。…
※「hamlet」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」