世界大百科事典(旧版)内のHomēridaiの言及
【ホメロス】より
… 次に生地については,10以上の町が詩聖生誕地の名誉を競った中で,多くの伝承はスミュルナ(現,トルコのイズミル),ついでキオスを名指ししている。いずれもアイオリス地方に隣接するイオニア地方の町で,キオス島にはまた叙事詩吟唱を代々の職業とするホメリダイHomēridai(〈ホメロスの後裔〉の意)なるギルド的団体があったことが知られているが,ホメロスの言語がイオニア方言を基調とし,そこにアイオリス方言を交えたものという事実を考え合わせると,この地方を中心として活躍した人物と思われ,その終焉の地は,伝承が一致して挙げるイオス島であったのかもしれない。なお,ホメロスを盲目の詩人とする巷説は,《ホメロス風賛歌》中の〈アポロン賛歌〉にある〈峨々たるキオスに住む盲(めしい)の人〉という作者自身への言及に由来するもので,ヘレニズム時代以降のホメロスの胸像等はつねに彼を盲目の老人で表現している。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」