世界大百科事典(旧版)内のisomerの言及
【異性】より
…分子式あるいはそれに対応する化学式は同じであるが,構成する原子の立体的な配列その他が異なるため,物理的および(または)化学的物質が異なる化学種が二つまたはそれ以上存在するとき,これらはたがいに異性体isomerであるといい,またこの現象を異性という。 異性現象の発見は有機化学の発展に大きな貢献をした。19世紀の最初の四半世紀の間に元素分析の技術は向上し,今日の分子式に相当するものがかなり正確に求められるようになってきた。…
【核異性体】より
…原子核の励起状態は,その励起エネルギーや角運動量に応じて,強い相互作用による中性子,陽子,α粒子などの粒子放出,あるいは電磁相互作用によるγ線放射などによって崩壊する。その寿命は通常10-5秒以下であるが,選択則あるいはより力学的原因で寿命が異常に長い励起状態が現れる場合がある。これを核異性体または異性核isomerと呼ぶ。代表的なものは,低い励起エネルギーの大きなスピン(角運動量)をもつ状態で,γ崩壊についての選択則により寿命が長くなるもの,核分裂の中間的過程に生ずる核分裂形状異性体,非常に大きなスピンの状態で,角運動量が集団的回転運動によるものから個々の核子(陽子と中性子の総称)の角運動量の整列に変化する付近に生ずるイラスト・トラップなどである。…
※「isomer」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」