世界大百科事典(旧版)内のMaypoleの言及
【木】より
…このカバラの木は,ルネサンス以降の神秘主義者たちに受け継がれ,超越的源泉からの宇宙の生成の象徴図となった。 このほか,ヨーロッパのメーポールMaypole,ナバホ・インディアンのアシ,日本における神道のサカキも,そこに神性が宿る宇宙軸のシンボルの一種であり,十字架も,このような中心のシンボリズムの発展の一つであるといえよう。
[生命と豊饒のシンボル]
木はまた地母神のもつ豊饒な生産力の象徴となってきた。…
【五月祭】より
…当時,人々は樹木の霊魂が雨と太陽の光をもたらし,農作物を生育させ,家畜をふやすと信じていた。このため,彼らは春になってよみがえった樹木の霊魂の恩恵にあずかろうとして,5月1日に〈五月の樹〉や〈五月の柱Maypole〉を立て,五月祭を祝った。この習慣はイギリス,フランス,ドイツなどヨーロッパ各地に最近まで残り,所によっては今日まで続いている。…
【樹木崇拝】より
…聖なる森が神の住居とされ,礼拝の場となる例は日本に限らず,大原始林に覆われたヨーロッパの歴史の黎明(れいめい)期にもみられた。聖霊降臨祭の行事に森から1本の木を切ってきて村の中央の広場に運ぶ〈五月の木(メーポールMaypole)〉の習俗が伴うのはその名残りで,ペリゴール地方ほかでは〈自由の木〉と呼び,フランス革命の象徴となった。樹木に神,神霊,精霊が宿るとする観念は広く見いだされ,樹霊に対して多産を祈る日本の〈成木責め(なりきぜめ)〉の民間習俗は,ブルガリア農民がクリスマス・イブに実をつけない果樹に斧を振っておどす習俗と対応している。…
【柱】より
… 祭りの場に柱を立てる習俗は世界各地にみられる。ヨーロッパでは5月(春)を迎える祭りのとき,教会や町の広場にメーポールMaypole(五月柱)を立て,まわりを踊る。またインドのベーダにおける供犠では,祭壇に聖なる柱が立てられるが,その柱は聖なる犠牲をつなぐものであると同時に,天と地をつなぐものとされる。…
※「Maypole」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」