世界大百科事典(旧版)内のobjectumの言及
【西洋哲学】より
…ホッブズやライプニッツは魂をsubjectumと呼んでいるが,それも感覚を担う基体という意味においてであり,そこには〈主観〉という意味合いはない。一方objectumという言葉も,字義どおりには〈向こうに投げられてあるもの〉という意味であり,中世や近代初期には,外部にある事物が心なり意識なりに投影され,いわば表象されてある状態を意味していた。たとえばデカルトがrealitas objectivaと呼ぶのは,観念として表象されてある事象内容のことであり,当時はむしろobjectumの方に〈主観的なもの〉という意味合いがあったのである。…
※「objectum」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」