世界大百科事典(旧版)内のpairidaēzaの言及
【庭園】より
…イスラム文化の基盤にはササン朝ペルシア文化の伝統があるが,庭園の場合も例外ではない。整然とした木立が並び,池泉が設けられ,鳥獣を飼育する苑囿(えんゆう)をも兼ねた囲みのある古代ペルシアの宮苑パイリダエーザpairidaēza(〈塀で周囲を囲んだ〉の意。〈パラダイスparadise〉の語源)の伝統は,イスラム時代に入ってからも保持された。…
【天国】より
…特にユダヤ教,キリスト教,イスラムの伝統における他界観念として重要で,〈天国〉の語もkingdom of heavenの訳である。また,パラダイスparadise(ペルシア語pairidaēzaに由来し,原義は〈囲われた場所〉ないし〈園〉で,〈エデンの園〉とも同一視される)や,〈神の国kingdom of God〉と同じ意味で使われることも多い。 古代バビロニアでは,世界は天上界と地上界と冥界からなる3層の建造物と考えられ,人間の住む地上界のはるか上方には,地上をアーチ状に覆う聖なる天蓋があると信じられていた。…
【楽園】より
…パラダイスparadise(英語),パラディースParadies(ドイツ語),パラディparadis(フランス語),パラディゾparadiso(イタリア語)などのように,ヨーロッパ諸言語で〈楽園〉を表す語はすべて共通している。語源は古代ペルシア語pairidaēzaであり,原義は〈周囲をpairi囲われたdaēza〉で,王侯貴族がとくに獲物の多い土地を,自分たちの狩猟の楽しみのために囲い込んだ猟園を意味したらしい。そこにはすでに,生命維持の手段が十分に保証されていること,そして享楽の要素までがともなうこと,など楽園の要件がこめられている。…
※「pairidaēza」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」