世界大百科事典(旧版)内のPilipinoの言及
【タガログ語】より
…フィリピンのマニラを中心とする諸州に行われる言語で,アウストロネシア語族のうち西部語派(インドネシア語派)に属する。タガログ語を母語とする人口は約1000万(1975)で,それはフィリピン全人口の4分の1にみたないが,1937年にすでにフィリピンの国語に指定され(このタガログ語を基礎とした共通語はピリピノ語Pilipinoと呼ばれる),小学校の正課として教えられているから,タガログ語を理解する人口は多い。タガログ語と最も近い関係にある言語は,ルソン島南端のビコル語Bicolと,パナイ島,サマル島,レイテ島に行われる北部ビサヤ諸語(ビサヤ語)である。…
【フィリピン】より
…このように多種の言語の存在は,住民自らの力による民族統一の歴史を欠いたことによることはいうまでもない。1939年タガログ語を国語の基礎にすることが制定されたが,英語がそのまま公用語,授業用語として残ったために国語の普及は大いに遅れ(1959年に国語はピリピーノPilipinoと命名された),70年の普及率はようやく55%にすぎなかった。70年代に入ってからのナショナリズム高揚もあって,最近では普及がかなり進んだとみられる。…
※「Pilipino」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」