世界大百科事典(旧版)内のprêt-à-porterの言及
【既製服】より
…フランスの場合,第2次大戦以前にもコンフェクシヨン・トゥ・フェconfection tout fait(女),ベートマン・トゥ・フェvêtement tout fait(男)と呼ぶ既製服が生産されていたが,おしゃれ意識の高いパリなどでは比較的買いやすいプチ・クチュール(小さな洋裁店)でオート・クチュール風の服をあつらえる人が多かった。しかし1950年代に入ると,オート・クチュールが作品の大衆化をはかってプレタポルテprêt‐à‐porter(〈着る用意ができた〉の意)の生産を始めたため,既製服化率は急上昇し,現在は全体の90%をこえる。また,プレタポルテを専業とするデザイナーが輩出,毎年2回開くコレクション(シーズン前の発表会)は,伝統的なオート・クチュールの発表以上に国際的関心が寄せられている。…
【ファッション・ショー】より
…フランスではコレクシヨンcollections(présentation de collectionsともいう)といい,かつて春夏,秋冬の年2回行われていた。1954年フランスのファッション・デザイナー,ファトJacques Fath(1912‐54)が,彼のオート・クチュールの中にプレタポルテprêt‐à‐porter(高級既製服)の部門を開き,その中の作品と既製服店のロディエのスカートなどを組み合わせて使うことを発表し,プレタポルテの勃興する契機をつくった。さらにディオールの死(1957)を境として,プレタポルテが強く進出することになる。…
※「prêt-à-porter」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」