世界大百科事典(旧版)内のRunddorfの言及
【集落】より
…(4)林地村Waldhufendorf 東南ドイツにおける中世末の森林開墾地にみられる形態で,谷底の道に沿って家屋が並び,その背後に道と直角に細長い耕地をもっている。(5)環村Runddorf エルベ川以東にみられ,楕円形の広場をもち,耕作農民の家屋がそれを囲む形態で,スラブ人の集落と考えられた。マイツェンの仮説である(1)集落の形態は成立当初のものを継承する,(2)民族は定まった集落形態をもつ,という点は,以後の歴史的考証,分布地域に関する精緻な研究によって修正されてきてはいるが,形態分類については,ほぼこのマイツェンの分類が踏襲されている。…
【村】より
…すなわちその一つは,ほぼ30戸前後の農民家屋敷がおのおの自家の菜園地を伴いながら,〈むら〉の中心部に核をなして密集し,その周囲を垣根や柵で取り囲み,その外側にいくつかの共同耕区がひろがり,さらにその外側に森林,牧草地,荒蕪地などの入会地をもつという,三圃農法に最も適合的な〈集村Haufendorf〉であり,第2は10戸前後のルーズなまとまりで,共同の入会地や耕区もあるが,各戸別の耕地も不規則に散在する〈小村〉,すなわちゲルマン地域で〈ワイラーWeiler〉,イギリスで〈ハムレットhamlet〉などと呼ばれる形態であり,第3のタイプは,家屋敷の周囲に各戸の菜園地やブロック状の大小さまざまな耕地,あるいは牧草地などをもち,一戸一戸が分散して,団体規制のきわめてゆるい〈散村Einzeldorf〉である。このほか,干拓や開墾により計画的に道路に沿って規則正しく各戸の家屋敷,菜園地,耕地,牧草地などをもつ〈街村Strassendorf〉,あるいはスラブ系諸族の地域にみられる〈円村Rundling,Runddorf〉などのタイプがあるが,西ヨーロッパの主要な集落形態は,上述の三つと考えてよい。
[集村の成立と普及]
この3形態の起源または成立事情につき,従来の学説は,これを民族性と関係づけ,集村をゲルマン人に固有のもの,散村または小村をケルト系民族の遺制ないしは中世中期以降における開墾によるものとみなしてきた。…
※「Runddorf」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」