(読み)ソン

  • あれ
  • ふれ
  • むら
  • スキ
  • 村 cūn
  • 漢字項目

デジタル大辞泉の解説

地方公共団体の一。市・町とともに都道府県に属する。むら。「村」をすべて「そん」と読むと、「そん」「むら」の混在する県とがある。→むら(村)
[音]ソン(呉)(漢) [訓]むら
学習漢字]1年
〈ソン〉
むらざと。いなか。「村落寒村漁村郷村山村農村僻村(へきそん)離村
地方行政区画の一。「村長村民税町村
〈むら〉「村人村八分
[名のり]すえ・つね
《「群(むら)」と同語源か。また、朝鮮語からとも》
農業林業漁業などを営む人々が形成するある一定規模の集落。田舎で人家が集まっている所。むらざと。村落。
最小の地方公共団体。そん。多くの都道府県で「むら」と読むが、「そん」と読む県もある。
(名詞に付いて)その人々や物の集まっている所。「選手」「テント

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百科事典マイペディアの解説

(1)自然村。村落ともいう。商工業者を主とする〈まち〉(都市)に対して,第1次産業(農林水産業)を主たる生業にする人々の集落。農村山村漁村などに分類。(2)行政村。行政単位としての村は,日本では1889年市町村制の施行により江戸時代の村(藩政村)を合併して作られた。自然村たる集落の複合。→市町村
→関連項目枝郷

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世界大百科事典 第2版の解説

中国において,三国時代(3世紀)ころから使用されはじめた集落を意味する語。それ以前の集落名称として一般的であったのは里であり,それがに編成されて村落組織を形成していたが(郷里制),後漢時代中期以後の社会の変動戦乱などによる人口移動が原因となって,里や,里を中心とする村落組織がくずれはじめ,新たに小集落が随所にあらわれるようになる。それらをよぶ名称として用いられたのが村である。南北朝時代には村は普遍的な存在となり,地方行政組織の最末端に位置づけられ,唐代になるとさらに正式の制度となって,唐律令に規定されるようになる。
〈むら〉とは農林水産業,すなわち第1次産業を主たる生業とするものの集落単位の総称であり,商工業者を主とする〈まち〉に対応する概念である。したがってそれは人類の歴史とともに古く,地球上どこにでも存在する普遍的かつ基本的な社会集団であるといえるが,〈むら〉のしくみや経済的機能は,民族により,また同じ民族であっても地域により,時代によって,きわめてまちまちである。ましてやその人口多寡,村境域の構造,集落の形態耕地のあり方,さらにはその法的な性格などということになると,〈むら〉とはこういうものだということを一律に規定することは,はなはだ困難である。

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大辞林 第三版の解説

むらと同源
人の集まり住んでいる所。村落。
地方公共団体の一。そん。
農業・漁業など地域と結びついた生産活動に従事する人々が住む地域。町に対していう。
ある目的のために、大勢の人が集まっている場所。 選手- 国民休暇-

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 村。ふれ。
※書紀(720)神武即位前(寛文版訓)「遂に邑(むら)に君(きみ)有り、村(アレ)に長(ひとこのかみ)有りて、各自(みづか)ら疆(さかひ)を分ちて用て相凌(あひしの)(きしろ)は使めつ」
[語誌]語源については、「ありか(在処)」の変化したものとする説があるが、未詳。「つのさはふ石村(いはれ)も過ぎず」〔万葉‐二八二〕の「石村」は地名「いはれ(磐余)」の借訓であるが、「村」に「あれ(または、ふれ)」の訓のあった証拠である。
〘名〙 (古代朝鮮語と思われる) 郷、村の意。スキリ。
※書紀(720)神功摂政四九年三月(北野本訓)「共に意流(おる)の村(スキ)〈今、州流須祇(つるスキ)と云ふ〉に会ひぬ」
〘名〙 むら。法律では、普通地方公共団体の一つ。町とともに郡を構成する最小の地方自治団体。
※蕉堅藁(1403)甲州裂石観自在堂化疏「苟其募縁、一人出一銭、則十口之家、必得十銭。而十家之村、亦必得百銭焉」
〘名〙 村。あれ。
※書紀(720)継体八年三月(前田本訓)「子女(をのこめのこ)を駈略(からめとら)へて、村邑(フレ)を剥掠(さきかす)む」
〘名〙 (「むら(群)」と同語源か。また、朝鮮語からとも)
① 人家のむらがっている区域。地形・水系などによって人の居住に適し、生活圏を形成している地域。古代から国家機構の末端に組織され、行政・納税の単位となる。近世の村は現在の市町村の大字(おおあざ)にあたる。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「このむらはいみじく栄えて侍し所なり」
② (比喩的に) 一か所に同類のものが群がり集まったところ。「選手村」 〔新語常識辞典(1936)〕
③ 市・町とともに都道府県を構成する最も基礎的な地方公共団体。村(そん)

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世界大百科事典内のの言及

【郷里制】より

…郷は自治的集落であった点で,国家権力の末端機構たる県と性格を異にしていた。しかし後漢末以後に,北方民族が中国内地に移住し,また屯田制が普及するにつれて,城郭の外に出て散居する住民がふえるに至り,新しく村(そん)という自然集落が出現した。村の大きさは100戸以内が普通であって,村司に統率された。…

【近世社会】より

…日常生活に必要な道具も,生産に必要な道具も,可能なかぎり自分の手で作り出す。そのさい多くの農村で自給できないものは,生産・生活に用いる道具のうち鉄製の部分であり,食生活に必要な塩も,製塩しうる海岸村以外では外部に求めなければならない。このような鉄製の道具や塩は藩主の手に集めたうえで,初期専売と呼ばれる形で農民の手に渡され,その代価は農産物で払われる。…

【郷村高帳】より

…江戸時代,大名・旗本らの領主がみずからの領内の村名・村高を列記した帳簿。一般に領主の年貢収納の必要と,支配領域の確認のための原簿として作成されたが,また将軍の代替りの際に幕府から新規の領知朱印状の交付を受けるため,その基礎資料として作成されて幕府に提出された。…

【市町村制】より

…市町村は2階層制地方自治制度を構成する基礎的普通地方公共団体であり,都道府県に包括される。日本国憲法改正原案には地方団体の種別が規定されていたが,GHQと日本政府の折衝を経て成立した日本国憲法は,地方団体の種別を明示しておらず,それは地方自治法をはじめとする国会制定法にゆだねられている。…

【集落】より

…その後,1925年A.ドマンジョンが初めて集落に対してhabitat humaineを用いて以降一般化し,英語でもhabitatが用いられる傾向がでてきた。 日本ではもと〈聚落〉と書き,その字義は〈人の集まりいるところ〉で,古代には寺院聖域などに対し在家の村落をさした。日本で最初に〈集落〉の語を用いたのは新渡戸稲造の《農業本論》(1898)で,農業経営の立場から農村の集落形として疎居・密居のあることを述べている。…

【村法】より

…村落に機能した法規制のことで,学問上の用語。
[中世]
 水稲耕作を基本とする日本の村落では,水利慣行や山川藪沢の利用などから慣習的な法規制が古代より成立していた。…

【中世社会】より

…天皇の政治的実権がまったく失われる契機となった南北朝内乱は,この観点から時代を区分する画期として注目された。他方,西田直二郎の提唱した文化史学の潮流のなかで,中村直勝は文化・思想・経済の大きな転換期としてこの動乱をとらえ,やや異なった観点に立って先の立場を押し出した。この中村の見方は〈転向〉後の清水三男によって受けつがれ,清水は領主の私的な支配下におかれない百姓とその村落に目を注ぎ,中世社会の公的な側面を明らかにしようと試みたのである。…

【殿原】より

…中世における身分の呼称の一つ。平安・鎌倉時代に公家や武家男子の敬称(《入来文書》)や対称(〈北条重時家訓〉)として用いられるが,ひろく中世社会では,村落共同体の基本的な構成員たる住人,村人の最上層を占めて殿原,百姓の順に記され,村落を代表する階層として現れる。名字をもち,殿とか方などの敬称をつけて呼ばれ,〈殿原に仕〉える者をもち(《相良氏法度》),〈地下ノ侍〉(《本福寺由来記》)つまり侍身分の地侍として凡下(ぼんげ)身分と区別され,夫役(ぶやく)などの負担を免除されることもあった。…

【名主】より

…近世における村の長。名主のほかに庄屋,肝煎(きもいり)等の称があり,一般的には東国では名主,西国では庄屋が多い。…

【日本】より

…◎―交通,通信については,〈〉〈道路〉〈輸送〉〈水運〉〈海運業〉〈鉄道〉〈航空〉〈郵便〉〈通信〉などを参照。◎―日本社会の特質については,〈日本社会論〉〈〉〈家族制度〉〈〉および〈被差別部落〉などを参照。教育については,〈学校〉の項目中の〈日本の学校〉の章,〈読み書きそろばん〉の項目など。…

【百姓】より

…荘園本来の名田である〈本名(ほんみよう)〉の名主百姓のほかに,平百姓,脇百姓,小百姓,間人(もうと)などと呼ばれる中下層百姓がおり,本名以外の領主直属地である間田,一色田などを耕作した。荘園村落の内部においては,本名の名主百姓は〈おとな〉などとして村座を構成する指導的・特権的上層をなし,小百姓らはこの村落秩序から疎外され,副次的な地位を与えられるにとどまった。しかし荘園支配が続く中で,小百姓,脇百姓らは村座の本座に対して新座を形成するなど,荘園村落内における地位を向上させ,旧来の本名を改編した新名の名主百姓に成長していく。…

【身分階層制】より

…このような身分階層制は,社会のさまざまなレベルで形成される。 日本の村落社会においては,身分階層制の様相は複雑をきわめ,地域差もみられた(〈〉の項の[日本]を参照)。まず,同族的系譜関係や親分子分関係(擬制的親子関係)に基づいた身分階層制の形成がある。…

【村入り】より

…他所から移住してきた家や村内で新たに分家した家がムラ(村)の成員となるために行う儀礼や手続。またムラにすでに存在する家へ婿養子に来たり,嫁入りしてきた者がムラの成員となる披露の儀礼もいう。…

【村請】より

…日本の近世において,領主が農民に課する年貢,諸役を,村ごとにまとめて提出すること。近世の領主は年貢徴収にあたり,その書類(年貢免定(めんじよう),年貢割付(わりつけ))を領内の個人あるいは個々の家にではなく,村ごとに出した。…

【村切】より

…日本の近世において,村の範域内にその村の耕地を集中すること。近世前期の検地により達成された。…

【村境】より

…ムラ(村)を内外に区分する境。ムラは,理念型としては,家々が集合する集落を中心とし,その周囲に田畑という耕地が展開し,その外側に山野が広がっている。…

【村入用】より

…〈むらいりよう〉とも読み,小入用(こにゆうよう),夫銭(ぶせん),入箇(いりか)などともいう。近世の農民が村を通じて賦課された,年貢以外の農民負担である。村入用の内容は村入用帳などと呼ばれる帳簿に記されており,村によってさまざまであるが,大きく三つに分けられる。…

【弥生文化】より

… 弥生時代における北海道には続縄文文化が存在する。続縄文文化の領域は,東北地方北端部をも包括するという考えもあり,とくに青森県南津軽郡田舎館村垂柳(たれやなぎ)遺跡の土器は,1930年代以来,続縄文土器とみなされていた。北海道の続縄文土器と酷似する,というよりむしろ等しい土器だからである。…

【琉球】より

…また,冠の色,文様による位階の区別も伝統を引き継いで行われた。いうまでもなく国王が頂点にあり,ついで王子など国王の近親者,地頭と呼ばれる間切,村の領有者が上位を占めた。地頭には二つのタイプがあり,間切を領有する者を総地頭,村を領有する者を脇地頭と呼び,社会的エリート層を構成した。…

※「村」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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