コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

円村 えんそんRunddorf

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

円村
えんそん
Runddorf

広場や草地などを中心とし,これを囲んで民家環状に立並び,ほぼ円形集落形態を示す集落。主として北ヨーロッパに分布するが,特にドイツ東部からポーランドにかけて発達している。この地方は中世のスラブ族の植民地域にあたり,従来はこれをスラブ族の防備のための民族的所産であるという説があったが,近年の研究の結果,スラブ族の植民地域でないところにも分布することが判明した。円村は計画的に設定された集落で,土地割は集落の中心の広場や草地から放射状に施されている。各戸は宅地の背後に続く耕地と山林をほぼ平等に保有し,中心の広場や草地を共同使用して,農牧生活を営むのが特色である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

円村【えんそん】

環村とも。ドイツ東部のスラブ系諸民族などに多く見られる円形または楕円形農業集落。中央に村の共有地牧場に使われる広場または草地があり,その周囲に環状に集まった民家の外側に放射状の土地割で耕地が作られる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

大辞林 第三版の解説

えんそん【円村】

中央に円形の広場があり、それを取り囲むように家屋が配置されている集村。広場に教会があり、集会や、定期市が立つ。ドイツ北東部からポーランドにかけての地域に分布。環村。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

円村
えんそん
Runddorfドイツ語

ドイツ、ポーランドや北ヨーロッパの一部に古くからみられる環状形態の農業集落。環村ともいう。広場や、牧畜に使われる草地などの共有地の周囲に、民家が環状に建ち並び、放射状に地割が施され、各農家は自宅の背後の土地を耕す。かつてスラブ民族起源説も行われたが、近年では、牧畜を営むための必要性から生じたとされている。[中田榮一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の円村の言及

【村】より

…すなわちその一つは,ほぼ30戸前後の農民家屋敷がおのおの自家の菜園地を伴いながら,〈むら〉の中心部に核をなして密集し,その周囲を垣根や柵で取り囲み,その外側にいくつかの共同耕区がひろがり,さらにその外側に森林,牧草地,荒蕪地などの入会地をもつという,三圃農法に最も適合的な〈集村Haufendorf〉であり,第2は10戸前後のルーズなまとまりで,共同の入会地や耕区もあるが,各戸別の耕地も不規則に散在する〈小村〉,すなわちゲルマン地域で〈ワイラーWeiler〉,イギリスで〈ハムレットhamlet〉などと呼ばれる形態であり,第3のタイプは,家屋敷の周囲に各戸の菜園地やブロック状の大小さまざまな耕地,あるいは牧草地などをもち,一戸一戸が分散して,団体規制のきわめてゆるい〈散村Einzeldorf〉である。このほか,干拓や開墾により計画的に道路に沿って規則正しく各戸の家屋敷,菜園地,耕地,牧草地などをもつ〈街村Strassendorf〉,あるいはスラブ系諸族の地域にみられる〈円村Rundling,Runddorf〉などのタイプがあるが,西ヨーロッパの主要な集落形態は,上述の三つと考えてよい。
[集村の成立と普及]
 この3形態の起源または成立事情につき,従来の学説は,これを民族性と関係づけ,集村をゲルマン人に固有のもの,散村または小村をケルト系民族の遺制ないしは中世中期以降における開墾によるものとみなしてきた。…

※「円村」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

円村の関連キーワード志摩利右衛門ワッツ定期市家屋集村村落

今日のキーワード

MERY

ファッション情報を中心とした女性向けデジタルメディア。運営元は株式会社MERY。2013年、株式会社ペロリによって創設された。同社が株式会社ディー・エヌ・エーの子会社となった14年以降も運営は継続され...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

円村の関連情報