… 選択の適切さの一つの側面である合理性は,意思決定者の価値観を正しく反映し,選択結果の不確実性への対処ができることを内容としているので,意思決定者の主観的な価値の表現である〈効用〉と,主観的な確からしさの表現である〈主観確率〉という,二つの要素で意思決定をモデル化することが一般に行われている。一組の選択肢の中からある選択肢を採用したとき生じるすべての結果のもたらす効用を,それぞれの結果の生じる確率を重みとして加味しつつ平均したものが主観期待効用(SEU)で,理想的にはこれを最大化するような選択が良い選択であると考えられている。ここでモデル化というのは,われわれの意思決定についての理解に,単純化した,しかし明瞭であいまいなところのない表現を与えてみるという意味である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」