世界大百科事典(旧版)内のsolitonの言及
【孤立波】より
…しかし非線形の方程式は一般に解を求めることが困難な場合が多く,これらの方程式に従う非線形波動の研究が著しく発展したのは,20世紀の後半,電子計算機で非線形方程式を数値的に解くことが容易にできるようになってからのことである。 1966年にN.J.ザブスキーとM.D.クラスカルは計算機による数値実験の結果,コルテベーグ=ド・フリース方程式を満たす波の中にいくつかの鋭い孤立波が現れ,それらが互いにほぼ独立に運動することや,衝突すると互いに相手の中を通り抜けてそのまま進行を続けることなどを見いだし,このような孤立波をソリトンsolitonと名付けた。その後,他の非線形波動方程式においてもソリトンが発生することがわかった。…
【素励起】より
… 今まで例として述べた素励起では,異なる運動量をもつ状態の間の相互作用は弱いが,場合によっては,その相互作用が強く,それに起因する非線形性を通して空間に局在した例も可能である。このような素励起はソリトンsolitonと呼ばれる。【福山 秀敏】。…
【非線形力学】より
…これはもちろん可積分系であり,各振動子の変位のフーリエ分解によって固有モードが得られ,さらに波数の連続体近似によって線形波動方程式,で表されることになる。 一方,一次元非線形波動を示す典型として古くからKdV(コルトベーグ=ド・フリース)方程式,が知られていたが,やはり1960年代の終りにその局在進行波解が発見され,ソリトンsolitonと名づけられた。戸田は(4)を展開せずに連続体近似するとそれがKdV方程式となることを示し,また(4)の素解の中にソリトンに相当するものを発見した。…
※「soliton」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」