symbebēkos(その他表記)symbebekos

世界大百科事典(旧版)内のsymbebēkosの言及

【偶然】より

…もともと偶然の〈偶〉とは,偶数とか配偶の偶,つまり1と1が合して2となること,二つのものが〈出遇う〉こと(九鬼周造《偶然性の問題》1935)なのであるから,これこそが偶然のもっとも根源的な意味なのである。偶然をあらわすギリシア語のsymbebēkosやラテン語のaccidens,ドイツ語のZufall,英語のcontingencyにも,すべてsym‐,ac‐,zu‐,con‐といった2者の出遇い,何ものかの襲来を意味する前つづりが付されている。しかし,注意されねばならないのは,そうしたいくらでも起こりうる偶発的な出遇いが特に偶然として意識されるのは,その出遇いが,少なくとも一方の系列のその後の展開を左右する場合だということである。…

【西洋哲学】より

…もっとも,通常〈実体〉と訳されているアリストテレスの用語〈ウシアousia〉は,それが〈ある〉〈存在する〉という意味の動詞〈エイナイeinai〉の女性分詞形〈ウサousa〉に由来し,日常語としては〈現に眼前にある不動産・資産〉を意味するということからも知られるように,広く〈存在〉を意味する言葉であり(《形而上学》第7巻第3章),これがsubstantia(下に立つもの=実体)というラテン語に訳されたのは,事物の第一の存在(ウシア)が〈ヒュポケイメノンhypokeimenōn(下に横たわるもの=基体)〉としての存在にあると考えられたからである(《形而上学》同上)。したがって,〈実体‐属性〉の関係は,アリストテレスにあっては〈ヒュポケイメノン‐シュンベベコスsymbebēkos(共に居合わせているもの=付帯的属性)〉の関係として考えられている。 その際注意さるべきことは,この〈ヒュポケイメノン〉がすべての〈シュンベベコス〉の担い手である〈基体〉を意味すると同時に,すべてがそれについて述定されるがそれ自身は他の何ものの述語にもならない命題の〈主語〉をも意味していることである。…

※「symbebēkos」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android