世界大百科事典(旧版)内のtheatrumの言及
【劇場】より
…しかし,そうした空間は歴史を通じて忘れ去られていたわけではなく,世界中の神事や祭事,民俗芸能,サーカスなどの娯楽的な催物の伝統のうちに,つねに変わらず存在していたのである。 劇場(ギリシア語theatron,ラテン語theatrum)という言葉は,古くから宇宙,世界の寓意をもって用いられてきたが,これは劇場が神と人間の運命の全様相を描く演劇の場であることに由来する。前1世紀のローマの建築家ウィトルウィウスが書いた建築書は,ヘレニズム時代の劇場の様相を知るうえで重要な資料だが,ルネサンス期の人々が劇場平面の割り出し方を,円環のうちに劇場の主部をおさめると解釈したのは,まさにこの寓意につながってのことであった。…
※「theatrum」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」