Wik(その他表記)Wik

世界大百科事典(旧版)内のWikの言及

【市】より

…のちにこれらの旅籠を主体とする集落はリシュケlischkeと呼ばれ,都市的形態をとるようになる。ウィクwik∥vikと呼ばれる集落も交通の要衝にあり,同様な性格をもっていたと考えられる。 コハクの道からはずれたところにも小さな市がしばしば設定されていたが,そこには近隣の農民がわずかな鶏卵,羊毛などを取引するためにやってくるにすぎず,ピレンヌのいうように〈周囲の人々の家計の必要を満足させ……人間のもって生まれた社交的本能の満足に限られた〉ものであった。…

【都市】より


[市民身分と市民意識]
 中世都市がこのような自治を確立し,〈市民(ビュルガーBürger,シティズンcitizen)〉というまったく新しい社会階層を構成メンバーとする共同体となる経緯は,地域により時代によってまちまちであるが,その最初のきっかけをなしたのは,司教,大司教を都市領主とするライン川沿岸ならびに北イタリアのロンバルディア諸都市における反封建的または反領主的な暴動であり,その運動のイニシアティブをとったのは,アルプス以北にあってはもっぱら遠隔地商人の団体であった。遠隔地商人は前述のようにすでに10世紀の後半から各地に現れて組織的な活動を始め,封建領主の保護下に,ブルクや教会の近傍にある地の利を得たところにウィクWikと呼ばれる特殊な定住区をつくり出していた。彼らはそこで商人ギルドをつくり,初めのうちは領主と相互の利害関係の調和を保っていたが,11世紀の後半になると遠隔地商人団の経済力が漸次に増大し,他方でそれに対する領主の恣意的な支配や収奪が不当に強化されるにいたった。…

【都市法】より

…これに,ドイツ中世都市を市民的自由と代議制の保育所とみる19世紀前半の市民的憲法運動や,都市の商人資本を生産関係の転換の原動力とみなすマルクスの解釈などが結びつき,ドイツ法制史学上,この中世都市(法)の問題ほど論議の対象となったものも少ない。伝統的見解によれば,都市形成の決定的要因は遠隔地商人の原初的商業定住地(ウィクWik)であり,彼らに特許状で与えられた諸権利が都市法の最古の淵源である。その商人ギルドが都市の全住民をひとつの誓約団体に結び合わせ,都市君主の支配からの自由を求める闘争を行った(都市共同体の形成)。…

【ブール】より

…イングランドでは,9世紀後半のアルフレッド大王の時代に,フランスからの影響とはかかわりなく,〈特権的な都市〉としてのブルフ(バラ)が数多く存在していた。ネーデルラントやドイツ帝国領では,ブルクは集落というよりも〈城砦〉ないし〈城館〉という古い意味で用いられていたから,新たに建設された市場集落を表すにはポルトゥスportusとかウィクWikという言葉が用いられていた。しかし,これらの地方でも11世紀末から12世紀にかけて,〈ブルグス〉という言葉も併用されるようになった。…

※「Wik」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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