和やか(読み)ニコヤカ

デジタル大辞泉 「和やか」の意味・読み・例文・類語

にこ‐やか【和やか/柔やか】

[形動][文][ナリ]
ほほえみを浮かべるさま。にこにこしているさま。「―にあいさつを返す」
物腰筆跡などの、柔らかいさま。
「―なる方の懐かしさは」〈梅枝
[類語](1にっこりにこりにこにこ嫣然えんぜんにたにたにたりにやにやにやりにんまりくすくすくすりくつくつ莞爾かんじくっくっとうふふえへらえへらえへへいひひあははにかっとからから薄笑い忍び笑い盗み笑い嘲笑ちょうしょう冷笑嗤笑ししょうあざ笑う薄笑うせせら笑う鼻で笑う

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精選版 日本国語大辞典 「和やか」の意味・読み・例文・類語

にこ‐やか【和やか・柔やか】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「やか」は接尾語 )
  2. ものやわらかなさま。しとやかなさま。にこよか。
    1. [初出の実例]「天下の麗(かほよき)人は吾が婦に若くは莫し。茂(こまやか)に綽(さはやか)にして諸(もろもろ)の好(かほ)備れり。曄(あからか)に温(ニコヤカ)に、種(くさくさ)の相(かたち)足れり」(出典:日本書紀(720)雄略七年是歳(図書寮本訓))
    2. 「底心かしこく、をしだまりて、にこやかにみゆ」(出典:評判記・満散利久佐(1656)薩摩)
  3. なめらかなさま。
    1. [初出の実例]「其の窣堵波の基の下(もと)に石有り。色黄白を帯びたり。常に津(うる)ひ膩(ニコヤカナル)こと有り」(出典:大唐西域記長寛元年点(1163)三)
  4. 建築物などが立派で美しいさま。
    1. [初出の実例]「城の中に天祠有り。瑩飾(かざれ)ること輪奐(ニコヤカナリ)」(出典:大唐西域記長寛元年点(1163)五)
  5. 心から嬉しそうなさま。にこにこしているさま。にこよか。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「甲野さんが問ひ懸けられた時、囅然(ニコヤカ)糸子の顔は揺(うご)いた」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉八)

なご‐やか【和やか】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「やか」は接尾語 ) ものやわらかなさま。やわらいでいるさま。温和なさま。おだやか。のどやか。
    1. [初出の実例]「女衆は(みやび)たる、窕(ナゴヤカナル)形を現はすと雖ども」(出典:東大寺諷誦文平安初期点(830頃))

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