デジタル大辞泉 「紛う」の意味・読み・例文・類語 まが・う〔まがふ〕【▽紛う】 [動ワ五(ハ四)]1 他のものとよく似ていてとりちがえる。現在では連体形のみが用いられ、一般には「まごう」と発音されることが多い。「海かと―・うばかりの大湖」2 入り乱れる。「梅の花散り―・ひたる岡辺をかびにはうぐひす鳴くも春かたまけて」〈万・八三八〉[動ハ下二]「まがえる」の文語形。[類語]紛れる・紛らす・似る・似寄る・似つく・似通う・通う・相通ずる・類する・類似する・相似する・近似する・酷似する・肖似しょうじする・あやかる・似寄り・瓜二つ・生き写し・丸写し・そっくり・疑似・空似・もどき・紛い・偽・似非えせ・紛らわしい・カーボンコピー まご・う〔まがふ〕【▽紛う】 [動ワ五(ハ四)]⇒まがう 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「紛う」の意味・読み・例文・類語 まが・うまがふ【紛・擬】 [ 1 ] 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙① 分けることができないほどに入りまじる。まじりあって区別がしにくい。[初出の実例]「妹が家(へ)に雪かも降ると見るまでにここだも麻我不(マガフ)梅の花かも」(出典:万葉集(8C後)五・八四四)② よく似ていてまちがう。見分けたり、聞き分けたりできないほどよく似ている。似通う。[初出の実例]「恋わびてなく音にまがふ浦浪はおもふかたより風やふくらん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)須磨)[ 2 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 ⇒まがえる(紛)紛うの語誌語源としては「ま(目)」+「かふ(交)」が妥当か。「目がちらちらするほどに入り乱れ、また散り乱れる」が原義と考えられる。上代では、「みだる」は女性の髪などがもつれる場合などに、「まがふ」は雪や花びらなどが入り乱れる場合に用いられることが多い。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例