凡例《伊和中辞典 2版》

1 見出し語

1. 1. 一般語,固有名詞,略語,接頭辞,接尾辞,成句などを収録し,アルファベット順に配列した.
1. 2. アクセントまたは,綴りが異なる語は並記した.

connèttere, connéttere
feldspato, feldispato


1. 3. 同形の見出し語が2つ以上あるときは,右肩に数字をつけた.

laminato1 [名](男)〘織〙ラメ.
laminato22[形]薄板状になった.
1. 4.同語源の同形語で品詞が二つ以上ある語は原則として品詞名を示して追い込み見出しとした.

imputato [形][過分]…
[名](男)…

1. 5. 再帰動詞,代名動詞が追い込みのときは,変化する部分を示した.
inabissare [他]
-arsi [代]

1. 6. 形容詞に-menteがついて副詞となる語は追い込み見出しとした.
inalteràbile [形]…
inalterabilménte [副]...

1. 7. 派生語で稀に使う語,語義の類推しやすい語は,追い込み見出しとし,品詞だけを示した.
lavoràbile [形]…
lavorabilità [名](女)

1. 8. [語形]欄で見出し語の語形に関する説明をした.
maleの項
[語形]形容詞の前につくときは,しばしばmalとなる.

2 発音


 発音記号は,下記の場合を除き省略した.

2. 1. イタリア語のアクセントは,一般に語尾から2番目の音節の母音に落ちる.この場合のアクセント表示は原則として省略した.それ以外の位置にアクセントがある場合はその母音の上に`を付した.符号は,書記法で必ず付けるアクセント記号と区別するために,細い斜線を用いた.
gemellìpara, gessàio
macchiàtico

2. 2. アクセントがeまたはoに落ちるときは,その発音の性質を明らかにするために,開口音[ε, ɔ]の場合は`,閉口音[e, o]の場合は´を付して,区別した.
gabèlla, gagliardétto
gabellòtto, gabbióne

2. 3. gliおよびgn+母音の綴り字については,それがイタリア語の規則的な発音[ʎi][ɲ]のときは省略し,例外的発音の場合は,その発音の部分のみを音標文字で[ ]内に示した.
glicerina[ɡli-], anglista[-ɡli-]
gnèiss[ɡne-]

2. 4. s,zについては清音と濁音の区別を示すために,清音はs,zとし,濁音はszと表記した.
neologismo
grafitizzare

3 品詞


3. 1. 品詞は略号を用いて示した.
 → 8 かっこ・記号・略号
3. 2. 名詞は[名]の後に(男)(女)を付して,男性名詞,女性名詞を表した.一つの語形で男性形と女性形を表すときは,(男)(女)を並記した.
genetista[名](男)(女)

3. 3. 男性名詞で女性形のあるものは[ ]内にイタリック体で示した.
geògrafo[名](男)(女) [(女)-a]

3. 4. 代名詞は[代名]の後に((人称))((不定))((指示))((所有))((疑問))((関係))((再帰人称))((不定関係))を付して,種類を表した.

3. 5. 自動詞については複合時制を作る場合の助動詞を品詞表示の後に,avereを取るものには[av]を,essereを取るものには[es]を付した.

4 変化形


4. 1. 名詞,形容詞が性・数によって不規則変化をするときは,語尾変化の部分のみを[ ]内にイタリック体で,単数,複数同形のものは[無変]で示した.
gèrgo[名](男)[複-ghi]
geràrchico[形][複(男)-ci]
geremìa[名](男)[無変]

4. 2. 単数形でのみ用いられる語は[単のみ]と表示した.
germànio[名](男)[単のみ]

4. 3. 見出し語の語形が複数の語には[複]と表示した.
geraniàcee[名](女)[複]

4. 4. ireで終わる動詞のうち直説法1人称単数が-iscoになる語にはその形を品詞表示のあとにイタリック体で示した.
granire[自] [io granisco]

4. 5. 規則変化動詞において,アクセントの位置の移動や,開口音,閉口音の区別に関わるものは,現在1人称単数形の形を示した.
nichelare[他][io nìchelo]
palettare[他][io paleètto]
girovagare[自][io giròvago]

5 語義


5. 1. 語義の区分には1, 2, ...を用い,さらに下位の区分には(1), (2), ...を用いた.その中で訳語が並ぶときは(,)を,やや意味に隔たりのある訳語には(;)を用いた.

5. 2. 重要語には対応する英語を示した.
giòco[名](男)[複-chi]〔英game〕
遊戯;遊び,ゲーム;娯楽…

5. 3. 稀用語で同義語がある場合は品詞表示の後に=を用いて示した.その見出し語が離れているときには代表的な訳語をかっこ内に示した.
erziano[形]=hertziano(ヘルツの)

5. 4. 密接な関係をもつ前置詞や「前置詞+不定詞」「接続法」などを語義の最後に≪ ≫を用いて示した.それに対応する訳語は語義の前に〈 〉で示した.
esìmere[他][複合時制を欠く](人から)〈…を〉免除する,解く,はずす≪da≫

5. 5. 語義によって,語形が違う場合は,小文字,大文字の違いを(( ))を用いて示した.
bilància[名](女)...2((B-))≪天≫天秤座.
Apòllo[名](男)...2((a-))美男.

5. 6. [文法]欄で文法説明を,[語法]欄で語法に関する説明をした.
5. 7. [関連]欄で語義に関連する百科的説明を加えた.
5. 8. [類語]欄で類語の差異について記述した.

6 用例


6. 1. 用例中の見出し語に当たる部分は,見出し語と同形のときは〜で,性・数や時制で変化しているときはイタリック体で全書した.3文字以下の見出し語の場合はいずれの場合もイタリック体で全書した.
affrettato[形][過分] 1急いだ...:camminare a passi affrettati 急ぎ足で歩く| fare un pasto 〜 手早く食事をする.
già[副]……すでに,もう,もはや:giàdescritto 前記の,前述の|abiti già fatti既製服.

6. 2. 諺はすべての語義の最後に〘諺〙を用いてまとめた.

6. 3. 成句は見出し語相当部分も全書して,太字のイタリック体を用い,品詞別にしてすべての記述の終わりに一括した.

6. 4. 用例中で,略語を用いて,qlcu.で人を,ql.co.で事物を表す名詞を示した.それに対する訳は〈 〉で示した.
clemènte[形]1寛容な,温厚な,情深い:mostrarsi 〜 con[verso] qlcu.〈人〉に寛容な態度を示す.

7 語源


7. 1. 語源は見出し語の末尾に[ ]を用いて示した.
7. 2. 歴史的に見出し語に近いものから,より古い語源にさかのぼった.
climaの項
[←ラテン語clima climatis ←ギリシア語klima-atos-inclinazione del cielo,(「空の傾き」が原義)]

7. 3. 語源欄の中のイタリア語は立体,それ以外の語はイタリック体で示し,イタリア語訳を‘ ’に入れた.ただし語源の意味を明らかにするため,一部の語源の原義,音の変化,意味の変化程度をかっこ内に日本語で示した.
contadoの項
[←ラテン語comitātus -ūs (comes -itis 'conte'から派生)(「伯爵の領地」が原義)]

7. 4. 語源が複合語の場合は,それぞれの要素にイタリア語の訳語を付し,+で結んだ.
circondareの項
[←ラテン語circumdare (circum 'intorno'+dare 'porre')]

7. 5. 語源がラテン語の名詞で,格に関する特別の指示がない限り,その主格形と属格形(またはその語尾のみ)を併記した.
cittàの項
[←ラテン語cīvitās-ātis (cīvis 'cittadino'から派生)]

7. 6. 語源がラテン語の動詞である場合は,不定法の形を示した.
circondurreの項
[←ラテン語circumdūcere (circum 'intorno'+dūcere 'condurre')]

7. 7. 推定形の俗ラテン語の語源には*を付した.
colpoの項
[←俗ラテン語*colpus ←ラテン語colaphus ←ギリシア語kólaphos 'pugno, percossa'(「平手打ち」「びんた」が原義)]

7. 8. ギリシア語などローマ字以外の文字を使用する言語は,ローマ字に転写した.
commediaの項
[←ラテン語cōmoedia ←ギリシア語komos 'festino'+ōidē'canto'](おそらく「(神ディオニソスを讃える)宴席の歌」が原義)]
 

8 かっこ・記号・略号の用法


8. 1. かっこ・記号
[ ] 発音記号,変化形,語源の表示
〔 〕 外国語の表示
(( )) 位相の表示
方言の地域表示
文法的説明
( ) 補足説明
<< >> 見出し語と密接な関係をもつ前置詞など
< > << >>に対する日本語訳
qlcu.,ql.co.に対する日本語
[ ] 直前の語句との入れ替え
〘 〙 専門語の表示
諺の表示
“ ” 欧文中の会話体,作品名
「 」 和文中の会話体
説明中の欧文に対する日本語訳
『 』 和訳の作品名
〜 用例中の見出し語同形部分
= 同義語
| 用例の区分
/ 前後の用例の同義を示す
[ ]の中で前後の入れ替え
// 品詞が変わるとき
派生語
◇ 派生語(訳は省く)
◆ 成句の始まり
▲ 文化的背景,補足説明
△ 他言語への転用関係
→ 参照
← 語源欄で由来を示す
* 語源欄で推定形を示す
 
8. 2. 略号
[名] 名詞
[代] 名代名詞
[冠] 冠詞
[冠前] 冠詞前置詞
[自] 自動詞
[他] 動詞
[非人称] 非人称動詞
[再] 再帰動詞
[代] 代名動詞
[助動] 助動詞
[形] 形容詞
[副] 副詞
[前] 前置詞
[接] 接続詞
[間] 間投詞
[接頭] 接頭辞
[接尾] 接尾辞
[名・句] 名詞句
[形・句] 形容詞句
[副・句] 副詞句
 
(男) 男性形
(女) 女性形
[小] 縮小辞
[大] 拡大辞
⸨蔑⸩ 蔑称辞
[愛] 愛称辞
[同] 同義語
[反] 反対語
 
[複] 複数
[無変] 無変化
[過分] 過去分詞
[現分] 現在分詞
[ジェル] ジェル ジェルンディオ
[av] avere(複合時制の助動詞)
[es] essere(複合時制の助動詞)
ql.co. qualche cosa(ある事物)
qlcu. qualcuno(ある人)

 
((略)) 略語
((固名)) 固有名詞
((俗)) 俗語
((古)) 古語
((文)) 文語
((詩)) 詩語
((謔)) 諧謔語
((親)) 親密語
((諷)) 諷刺語
((幼)) 幼児語
((擬)) 擬声語,擬態語
((地域)) 地域語
((北伊)) イタリア北部方言
((南伊)) イタリア南部方言
((中伊)) イタリア中部方言
 
〔ギ〕 ギリシア語
〔ラ〕 ラテン語
〔英〕 英語
〔独〕 ドイツ語
〔仏〕 フランス語
〔ス〕 スペイン語
〔ポ〕 ポルトガル語
〔ロ〕 ロシア語
〔日〕 日本語
〔中〕 中国語

〘医〙 医学
〘印〙 印刷
〘映〙 映画
〘園〙 園芸
〘織〙 織物・繊維
〘音〙 音楽
〘音声〙 音声学
〘化〙 化学
〘海〙 海事
〘解〙 解剖学
〘学〙 学校用語
〘甲〙 甲冑
〘カト〙 カトリック
〘官〙 官庁用語
〘気〙 気象用語
〘幾〙 幾何学
〘機〙 機械用語
〘技〙 技術用語
〘ギ神〙 ギリシア神話
〘魚〙 魚類
〘行〙 行政
〘空〙 航空
〘軍〙 軍事
〘劇〙 演劇
〘建〙 建築
〘言〙 言語学
〘工〙 工学
〘光〙 光学
〘考〙 考古学
〘鉱〙 鉱物学
〘古生〙 古生物
〘古ギ〙 古代ギリシア
〘古ロ〙 古代ローマ
〘昆〙 昆虫学
〘財〙 財政学
〘史〙 歴史
〘社〙 社会学
〘写〙 写真
〘車〙 自動車
〘車標〙 自動車標識
〘宗〙 宗教
〘修〙 修辞学
〘獣〙 獣医
〘商〙 商業
〘城〙 築城
〘植〙 植物学
〘心〙 心理学
〘神〙 神学
〘人類〙 文化人類学
〘数〙 数学
〘スポ〙 スポーツ
〘生〙 生物
〘政〙 政治学
〘聖〙 聖書
〘生化〙 生化学
〘染〙 染色
〘船〙 船舶
〘地〙 地学
〘地質〙 地質学
〘鳥〙 鳥類
〘彫〙 彫刻
〘哲〙 哲学
〘天〙 天文学
〘電〙 電気
〘陶〙 陶芸
〘動〙 動物学
〘農〙 農業
〘馬〙 馬具・馬術
〘美〙 美術
〘服〙 服飾・裁縫
〘物〙 物理
〘法〙 法律
〘紋〙 紋章学
〘冶〙 冶金
〘薬〙 薬学
〘郵〙 郵便
〘遊〙 遊戯
〘料〙 料理
〘ロ神〙 ローマ神話
〘論〙 論理学

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