この辞典の使い方

1 見出し語

1.1 この辞典には,日本語を中国語におきかえるうえで必要と思われる基本語,複合語,ことわざ,慣用句,新語,俗語,外来語,動・植物名,各専門分野のことばなど,現代生活でよく使われる約9万5000語を収めた.助詞,助動詞,接頭語,接尾語などもできる限り収録した.

1.2 配列は五十音順とした.外来語は片仮名,それ以外は平仮名で,現代仮名遣いに従って示した.

1.3 仮名が同じである場合は,清音,濁音,半濁音の順とした.
  へらへらべらべらぺらぺらの順.

1.4 促音の「っ」と拗音の「ゃ・ゅ・ょ」は,それぞれ直音の「つ」「や・ゆ・よ」の前に配列した.
  あっかん【悪漢】あつかん【熱の順.

1.5 外来語の長音「ー」は,その前の片仮名の母音と同じ扱いで配列した.
  アーモンド→「アアモンド」の位置に配列.
  イーグル→「イイグル」の位置に配列.

1.6 平仮名見出しが先,片仮名見出しが後.
  あじ【鯵】アジの順.

1.7 仮名による表記が同一の語が続く場合は,その漢字表記・品詞により,下に示す順序で配列した.

①表記に漢字が当てられていないものが先,当てられているものが後.
  あらあら【粗】の順.

②漢字の当てられていないものどうしは,次の品詞順.
名詞→代名詞→形容動詞→連体詞→副詞→接続詞→感動詞→助詞→連語→動詞→形容詞→助動詞→接頭語→接尾語

③漢字が当てられているもので,その表記が漢字もしくは漢字仮名混じりの場合は,全体の文字数の少ない順.
  あく【悪】あく【灰汁】の順.

④表記の文字数が同じ場合は,仮名の混じっているほうが先.それでも決まらない場合は最初に掲げる漢字の画数順とする.
  あく【明く】あく【飽く】あく【灰汁】の順.

⑤漢字のみの表記で同数の漢字からなる場合は,1字目の画数の少ないほうが先.同画数なら『康字典』の順.同字ならば2字目の画数.以下これに従う.

⑥接頭語・接尾語は,表記の文字数に関係なく同一の仮名見出しの最後に掲げた.

⑦外来語で仮名見出しが同じ時はその表記欄の原語のアルファベット順.

⑧準見出し(1.10,1.11参照)も上記の原則に従う.ただし「~」が最初についているものを先頭に置く.「~」が準見出しの途中に出現する場合は,1字目の五十音順(1字目が同じなら2字目で,以下同様)に配列する.

1.8 接頭語,接尾語はそれぞれ前と後にハイフン(-)を付けて示した.

1.9 見出し語の中で,特に基本的なもの約1500語は色字で示した.これは各種資料を参考にして編集部の判断で選定したものである.

1.10 慣用句・成語・ことわざ(準見出し)
見出し語を含む慣用句・成語・ことわざの類は,その見出しの解説の後にまとめて配列した.
  かど【角】  ~が立つ
         ~が取れる

1.11 複合語(準見出し)
見出し語が他の語と結びついてできた複合語は,太字表示で準見出しとして掲げた.

2 見出し語の表記

2.1 【 】の中に,見出し語の漢字を用いた一般通用の書き表し方を示した.

2.2 【 】の中には外来語のもとの外国語を示した.英語以外の言語については,次のような略語で示した.
 <ア>=アラビア語 <イ>=イタリア語 <オ>=オランダ語 <ギ>=ギリシャ語 <ス>=スペイン語 <フ>=フランス語 <ポ>=ポルトガル語 <モ>=モンゴル語 <ラ>=ラテン語 <梵>=サンスクリット語

3 品詞

3.1 同じ仮名綴りの見出し語が続いて,見出し語の表記だけではその語の品詞が識別しにくい場合には,必要に応じて【 】の後ろに品詞名を示した.
  [名]=名詞 [代]=代名詞 [自動]=自動詞 [他動]=他動詞 [形]=形容詞 [形動]=形容動詞 [副]=副詞 [助動]=助動詞 [助]=助詞 [接続]=接続詞 [感]=感動詞 [接頭]=接頭語 [接尾]=接尾語 [補助]=補助動詞

3.2 動詞や助詞などで,検索に便利なように, [自動] [他動] 《副助詞》 《格助詞》]のように分けて示したものもある.

3.3 ひとつの見出し語の中で,ふたつ以上の品詞を扱う場合や用法の異なりが著しい場合は,適宜,1… 2… のように示した.

4 語義と訳語

4.1 見出し語の意味が複数に分かれる場合,迅速に求める語義にたどりつけるよう,1〔 〕… 2〔 〕…のように示した.〔 〕の中には見出し語のそれぞれの語義をわかりやすく示した.ただし,語義の差が小さい場合,語義分類をするとかえって複雑になる場合は,あえて分類しなかった.

4.2 訳語はできるだけ現在よく使われるものを掲げるようにつとめた.

4.3 訳語が複数に及ぶときは,それぞれをカンマ(,)で区切った.ひとつの語義の中で訳語が複数になり,それぞれの訳語の意味の差,使われ方の差が比較的大きい場合はセミコロン(;)で区切った.その際,意味の差,用法を適宜,訳語の前に[ ]で囲んで示すようにした.

4.4 訳語の後ろには必要に応じ,書面語口語方言俗語成語の記号で使用レベルを表示した.

5 用例

5.1 用例は,現在日常的に用いられる平明な例文・例句を挙げるようつとめた.その配列順序は,原則として①語句,短句,短文 ②文 ③派生語および複合語の順とした.

5.2 用例の始まりには,それぞれ¶(パラグラフ記号)を置いた.

5.3 用例中の見出し語相当語句は,~で示した.見出し語が用例中で濁音・半濁音に変化する場合も,その判断が容易と思われるものは~で代用した.活用語で形が変わるものは,~で代用することはせず,そのまま全体を記述することにした.

5.4 用例の中国語訳の中で,代替可能な部分は〇〇〔××〕の形で示した.〇〇と××は入れ替えが可能であることを示し,その起点は以降であることを示している.ただし,文頭およびカンマ(,)で区切れているところから代替可能な場合は,を省略した.また,用例の中国語訳全体の別な表現を示す場合は,セミコロン(;)で区切って示した.

6 用法・注意・参考など

6.1 訳語の用法,意味の差などは,訳語の前に[ ]で示すことを原則としたが,さらに補足を要する場合は►の記号を用いてその後ろに若干の説明を加えた.

6.2 注意 参考欄を各語義の末尾,解説全体の末尾に置き,訳語もしくは見出し語全体におよぶ内容の補足説明を適宜施した.

7 相互参照

7.1 ほとんど同じ意味の語,音が異なるが内容が同じ語は,一方をカラ見出し,もう一方を主見出しとして,次のように参照させた.
  あけはなし →あけっぱなし (「あけっぱなし」の項で解説)
  あちらこちら →あちこち (「あちこち」の項で解説)

7.2 他の見出し語に,関連の記述がある場合,または補足的な記述がある場合は,次のように参照させた.
  あちら…… ⇒こちら(此方),⇒そちら(其方),⇒どちら(何方)

7.3 見出し語の周辺の関連事項を広くとらえられるように,次のように特設の「関連記事」を参照させた.
  おはよう【お早う】…… ⇒関連記事あいさつ

8 ピンイン(拼音)表記

8.1 見出し語の訳語,および†の準見出し(複合語,1.11参照)の訳語には,漢字表記の後にピンイン表記を示した.

8.2 慣用句・ことわざなどの準見出し(1.10参照)の訳語,および用例の訳文には,読みにくいと思われるものにのみ適宜,部分的にピンイン表記を示した.

8.3 原則として,《汉语拼音正词法基本规则》(2012年)の表記に従った.

8.4 異読詞の音は,《普通话异读词审音表》(1985年修訂)に従った.

8.5 “yī”,“bù”は,声調変化が起こる場合もすべて原声調を記した.

8.6 隔音記号のアポストロフィ(')が行末に来る場合は,これを省略した.

8.7 “出来”“下去”などの方向補語は実際には軽声で発音されることが多いが,すべて原声調を付した.

9 関連記事

小項目主義の辞典のスタイルではとりあげにくい関連語の集約や,日中両国間の文化の差異などの記述については,本文中の随所に「関連記事」欄76箇所を特設して示した.

10 日本文化紹介コラム

日本独特の生活・文化を表現する語について,その背景・周辺の知識などを含めた解説文(日本語と中国語)を加えたコラムを約100項目設け,より充実したコミュニケーションをめざす学習者の参考とした.中国語訳は日本語を逐語的に訳さず,日本語にはないが中国語で解説する場合必要と思われる語句を随時補った.

11 場面別会話表現コラム

日常的会話表現に習熟する助けとなることを目標に,見出し語に関連する場面において,会話として出現することの多い中国語の表現(例:見出し語“叱る”に対して,「こら,何やっているんだ」「何度言ったらわかるんだ」などの表現)を約100項目のコラムにまとめた.

14 記号の使い方

-
接頭語,接尾語を示す.
【 】
見出し語の漢字表記を示す.
【 】
外来語のもとの綴りを示す.
1 2
品詞の区別,または意味区分が大きく変わることを示す.
1 2
語義番号を示す.
〔 〕
語義分けの定義の説明を示す.
[ ]
訳語の用法指示,ニュアンスの差などを示す.
〇〇〔××〕
を起点にして〇〇と××が入れ替え可能であることを示す.
見出し相当語の省略を示す.
用例中の日本語と中国語の境を示す.
カラ見出しから主見出しへの参照を示す.
参考になる関連見出しへの参照を示す.
関連記事
コラム「関連記事」への参照を示す.
訳語,用法などについての簡単な補足説明を示す.
-
行末でピンイン綴りが切れているが,本来は続いていることを示す.
“ ”
日本語の文章の中の中国語を示す.

15 主な略語表

<語>
言語学
<地>
地理,地学
<軍>
軍事,軍隊
<法>
法律,法学
<論>
論理学
<薬>
薬理,薬学
<鉱>
鉱業,鉱物
<生化>
生化学
<生理>
生理学
<紡>
紡織,織物
<電算>
コンピューター
<船>
海事,船舶
<馬>
馬術,競馬

〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...

春隣の用語解説を読む