日中辞典 第3版の解説
だ
1[助動]
1〔「Aは(が)Bだ」の形で,Aについての説明・判断・断定を表す〕是 ,就是 ,是……的 .
これはいい本~だ|这是一本好书.
着いたのは一昨日~だ|(我)是前天到的.
あそこに立っているのは大沢さん~だ|站在那里的是大泽先生.
きみはおもしろい人~だ|你这个人真有意思.
私が言ったことはすべて事実~だ|我说的都是事实.
2〔決意や呼びかけを表す〕吧 ,啊 .
さあ出発~だ|出发吧!
もう少しの辛抱~だ|再坚持
一下.この話は内緒~だぜ|这话可不要外传啊!
3〔「AはBだ」の形で,Bに関する動詞の代用として用いる〕
お飲み物は?――ぼくはビール~だ|饮料呢〔喝什么呢〕?――我要啤酒.
森田さんは慶応出~だ|森田是庆应(大学)毕业的.
課長は会議室~だ|科长在会议室.
4〔疑問詞とともに用いる〕
こんなことをしたのはだれ~だ|这样的事是谁干的?
ばかとはなん~だ|(你说,)傻瓜
是什么意思?;你骂准傻瓜?きみが行ったらどう~だ|你去不行吗?
5〔「…のようだ」の意味で用いる〕像 .
やつはまるで子ども~だ|那家伙简直就像一个小孩.
6〔「のだ」「なのだ」の形で,原因・理由を強調したり,解説・説得の意味合いを加える〕是……的 .
ぼくはきみのためにやったの~だ|我是为你干的.
電車が遅れたので遅刻したの~だ|因为电车误
点,所以迟到了.人は必ず死ぬものなの~だ|人必有一死.
7〔「だった」の形で,回想・想起を表す〕
彼はよい教師だった|他是个好老师.
この本は彼の本だった|这本书本来是他的.
8〔「だっけ」「だったっけ」〕→け
「ぼくはビールだ」“我要啤酒”,「課長は会議室だ」“科长在会议室”の「だ」は,「飲む・ほしい」「いる」という動詞の代用と考えられる.「京都は春だ」“京都春天最美”のように,形容詞の代わりに用いることもある.このような「だ」は“是”では訳せない.ただし,次のような文の「だ」は“是”を用いて表すことができる.
私たちは二人とも大卒だ.彼は早稲田で,私は慶応だ|我们都是大学毕业生.他是早稻田的,我是庆应的.
われわれは一緒に出かけるし,行く先も同じだ.私も北京で,彼も北京だ|我们一起动身,去的地方也一样.我是北京,他也是北京.
日本語の場合も,「ぼくはビールだ」「課長は会議室だ」のような文は,完全に孤立して使えば不自然な文となる.「お飲み物は?」「課長は?」という問い(前提)があってはじめて成り立つ.この点は中国語も同じである.ただし中国語の場合は,問いのポイントについて対比並列し,その異同を述べる場合にのみ“是”を述語の代用として使うことができ,一つの事柄について代用させることはできないという点が異なる.
2[助]呀 ,呢 .
ぼくも~だ,この年になって~だ,若い者と争おうとは思わないよ|我也是呀,到了这个岁数啦,不想跟年轻人争啦.
なんとしても~だ,納得できなかったんだ|不管怎么说呀,我也没能理解.
けれども~だ,彼が了承することがあろうか|可是呢,他会同意吗?