人工膵臓(読み)じんこうすいぞう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人工膵臓」の意味・わかりやすい解説

人工膵臓
じんこうすいぞう

糖尿病患者のためのインスリン分泌調節器。血糖センサを備えたクローズド・ループ式と,持たないオープン・ループ式がある。高度先進医療が適用されるのは,ベッドサイド型 (ベッドのわきに据え置くタイプ) のクローズド・ループ式の人工膵臓である。これは (1) 高血糖時の緊急治療,(2) 手術前・中・後ならびに分娩時の血糖管理,(3) 糖尿病性腎症における腎不全人工透析を行なう際の血糖管理,(4) 不安定型糖尿病患者に対する適正インスリンの投与,などに用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内の人工膵臓の言及

【人工臓器】より

…内分泌機能については,ホルモン剤の投与で代行できる。しかし糖尿病では,より有効に治療することをめざして,血糖値に応じてインシュリンを付与することのできる人工膵臓が開発され,臨床にも応用されている。 人工臓器の分類には多くの方法があるが,人工臓器を代行する期間,人工臓器の研究開発および応用のプロセスなどから次のように人工臓器を第I群から第IV群までの四つに分けることができる。…

※「人工膵臓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」