高度先進医療(読み)こうどせんしんいりょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

高度先進医療
こうどせんしんいりょう

通常の診療水準を超えた,先進の医療のこと。健康保険で認められない特殊な治療検査が多く,患者の経済的負担が大きい。そのため,1984年 10月からの健康保険法改正で,都道府県知事の承認を受けた医療機関 (特定承認医療機関という) で,厚生大臣の承認を受けている「高度先進医療」を受けた場合,その治療に要した費用のうち,診察・検査・投薬・入院料など一般の保険診療と共通の部分は保険で給付し,それを超えた先進的技術部分については患者負担とすることになった。当初癌の温熱療法白内障のレーザー手術などから始まったが,病院常時申請し,承認されれば増え,また,医療費改定で保険に適用されると外されるので変動が激しい。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

高度先進医療

医療保険の適用になっていない先端的な治療のうち、厚生労働省が認めたもの。現在承認されている治療は、がん粒子線治療遺伝子診断など109種類。条件を満たした医療機関を受診すると、治療費用は全額自己負担するが、そのほかの検査や入院費は「特定療養費」として保険給付の対象になる。

(2006-01-23 朝日新聞 朝刊 2総合)

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デジタル大辞泉の解説

こうど‐せんしんいりょう〔カウドセンシンイレウ〕【高度先進医療】

保険診療の適用されない先進医療を用いた療養のこと。昭和59年(1984)に導入された特定療養費制度によって、患者は先進医療費を全額負担し、それに併用して必要な通常の診察・検査・投薬・入院費などは保険給付の対象となった。平成18年(2006)健康保険法の一部改正で改編され、先進医療に統合された。

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百科事典マイペディアの解説

高度先進医療【こうどせんしんいりょう】

大学病院などの特定機能病院を中心に研究・開発が行われている,難病治療のための新しい治療法や手術法のうち,厚生省が〈高度先進医療〉として認めたもの。高度な医療技術を要する治療法の研究費を国が補助することを目的に,1984年に導入された。各機関の申請に基づいて,厚生省の高度先進医療研究企画評価委員会が毎年適否を判断する。 高度先進医療は,技術内容とそれを研究・開発する医療機関とがセットで承認される。現在,指定されている治療法(技術)は,医科で30,歯科で7。たとえば,手術後などに起こる難聴に対して行われる,音波を電気的に振動させ音を聞き取れるようにする〈人工中耳〉の治療技術は,帝京大学病院(東京都板橋区)と愛媛大学病院(愛媛県温泉郡)のみに認められている。また,小児の先天性胆道閉鎖症に対する〈生体部分肝移植〉は,弘前大学病院(青森県弘前市)をはじめ,全国10の病院が指定病院となっている。 高度先進医療は健康保険の対象となっていないため,一般の病院でその治療を受けた場合には,その治療のためにかかるすべて(予備検査からその後の治療まで)の医療費が自己負担となる。しかし,厚生省が指定した病院でその治療を受けた場合には,通常の診療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院など)にかかる費用に関しては,〈特定療養費〉として健康保険が適用される。つまり,指定病院で治療を受けた場合,患者は通常の診療部分については健康保険によって定められた一部負担金を,高度先進医療にかかる費用については全額を負担することになる。しかし,高度先進医療は,それ自体の治療費が高額であるため,他の診療部分に保険がきいたとしても,医療費はかなり高額になってくる。 このため,最近では高度先進医療を対象とした,生命保険の特約なども登場している。
→関連項目インプラント

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大辞林 第三版の解説

こうどせんしんいりょう【高度先進医療】

厚生労働大臣により承認された先進性の高い治療。健康保険の適用外だが、付随する基礎的な治療には保険が適用される。1984年(昭和59)制度化。

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