コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

糖尿病性腎症 とうにょうびょうせいじんしょうdiabetic nephropathy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

糖尿病性腎症
とうにょうびょうせいじんしょう
diabetic nephropathy

糖尿病に特異な毛細血管病変の現れとして,血液をろ過し尿を作る装置である糸球体に硬化性の病変を生じるもの。糖尿病性腎症がひとたび発症すると,多くの場合は進行性に増悪して,数年のうちに腎不全に陥り尿毒症となる。したがって,糖尿病を良好なコントロール状態に保って,腎症の発症を予防することが大切になる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

とうにょうびょうせい‐じんしょう〔タウネウビヤウジンシヤウ〕【糖尿病性腎症】

糖尿病の三大合併症の一つ。高血糖の状態が長く続くことにより、腎臓糸球体の毛細血管が損傷し、腎機能が低下した状態。初期には微量のアルブミンが尿に排泄される。進行すると、蛋白尿からネフローゼ症候群を経て、腎不全に至る。糖尿病性ネフロパシー糖尿病性腎硬化症糖尿病腎症。→糖尿病網膜症糖尿病性神経障害

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

栄養・生化学辞典の解説

糖尿病性腎症

 糖尿病性腎障害ともいう.糖尿病に合併する腎疾患

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

生活習慣病用語辞典の解説

糖尿病性腎症

糖尿病の合併症の 1 つで、腎臓の機能 (主に糸球体と呼ばれる、老廃物排泄機構部分) に障害が起きます。

出典 あなたの健康をサポート QUPiO(クピオ)生活習慣病用語辞典について 情報

家庭医学館の解説

とうにょうびょうせいじんしょう【糖尿病性腎症 Diabetic Nephropathy】

[どんな病気か]
 糖尿病(「糖尿病」)は、日本では高血圧、高脂血症(こうしけっしょう)とならんで代表的な成人病(生活習慣病)です。1型糖尿病(インスリン依存性糖尿病)と、2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病)に分けられますが、患者数が多く、成人病として問題となるのは、2型糖尿病です。
 糖尿病には、網膜症(もうまくしょう)、神経症、腎症という三大合併症がともない、とくに最近は、糖尿病性腎症から回復不可能な末期の腎不全(じんふぜん)(「腎不全」)におちいる患者さんが増えています。
[原因]
 糖尿病性腎症は、糖尿病によって毛細血管(もうさいけっかん)・細小血管(さいしょうけっかん)に病変がおこり(糖尿病性細小血管症(とうにょうびょうせいさいしょうけっかんしょう))、網膜と同じように多数の毛細・細小血管が集まった糸球体(しきゅうたい)も障害されると考えられますが、根本的な原因ははっきりしません。
 しかし、インスリンの不足、あるいは作用がうまく現われないことによる高血糖が、腎症のおもな原因と考えられています。その結果、糸球体は血液中の過剰な糖を濾過(ろか)せねばならず、糸球体にかかる血液の圧力が高まります。この状態が長く続くと、糸球体がしだいにかたくなると考えられます。
 糸球体の過剰な濾過がおこる時期には、わずかですが、アルブミンのまじった尿(たんぱく尿の一種)がみられます。
[検査と診断]
 表「糖尿病性腎症の病期分類」は、日本に多い2型糖尿病を主にして、糖尿病性腎症の病期を示したものです。わずかなアルブミン尿がみられる第2期(早期腎症の時期)までに適切な治療を行なわないと、たんぱく尿が悪化して、第3期(顕性(けんせい)腎症の時期)へと進んでしまいます。
 第3期‐Bではネフローゼ症候群(「ネフローゼ症候群」)を示すこともあり、この時期になると腎症は回復できないものになってしまい、さらに、第4期(腎不全期)、第5期(透析(とうせき)療法期)の末期へと進行します。
 糖尿病性腎症は、発病の早くから高い割合で高血圧をともないます。腎症が進んだ患者さんでは、高血圧となることがさらに増え、血圧のコントロールも困難になります。
[治療]
 糖尿病性腎症の治療でもっとも大事なことは、早期腎症の時期までに発見し、適切な治療を行なって、顕性腎症以降の病期に進ませないようにすることです。
 そのためには、とにかく厳格な血糖値(けっとうち)のコントロールをすることが重要です。血糖のコントロールは、低カロリー食、運動療法が基本ですが、糖尿病薬の服用、およびインスリンの注射も行なわれます。
 顕性腎症の前期も、やはり厳格な血糖のコントロールが必要です。以前は顕性腎症後期までは、食事でとるたんぱく質を制限する必要はないといわれていましたが、最近では、前期から、ある程度たんぱく質を制限することがよいと考えられています。
 後期になると、厳密な低たんぱく食にする必要があります。
 腎不全期には、やはり食事療法として、たんぱく質の摂取の制限を行ないますが、血液中のクレアチニン(糸球体の濾過能力の目安になる物質)の量の増え方によっては、透析療法(「人工透析」)の準備をします。
 糖尿病性腎症には高血圧がともなうことが多いので、降圧薬の使用も重要です。降圧薬のうち、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(へんかんこうそそがいやく)は、糸球体内の圧力を減らす作用もある有効な薬です。

出典 小学館家庭医学館について 情報

世界大百科事典内の糖尿病性腎症の言及

【糖尿病】より

…現在では治療により小児糖尿病の平均余命は約30年で,正常の50%となり,成人発症のII型糖尿病では正常の70%になっている。西欧の小児糖尿病では,発症17~25年の主要死因は糖尿病性腎症であり,25年以上になると心筋梗塞(こうそく)などの冠動脈硬化が優位となる。日本人のII型糖尿病の主要死因は腎硬化症であり,欧米のそれは冠動脈疾患で約50%に達する。…

※「糖尿病性腎症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

糖尿病性腎症の関連キーワード慢性腎炎症候群/無症候性たんぱく尿/血尿症候群の原因となる病気無症候性たんぱく尿/血尿症候群続発性高血圧(二次性高血圧)腎炎を患った人の妊娠、出産腎性高血圧/腎血管性高血圧小児糖尿病の慢性合併症慢性腎炎症候群慢性腎不全小児糖尿病血液透析膵島移植人工膵臓腎移植膵臓

今日のキーワード

だまし面接

企業が面談や懇談会と称して就職活動中の学生を呼び出し、実質的には学生を選考する偽装面接のこと。2016年卒業の大学生に対する選考活動の開始時期を、従来の4月1日から8月1日以降へと後ろ倒しする主旨の「...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

糖尿病性腎症の関連情報