翁渡し(読み)おきなわたし

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「翁渡し」の解説

翁渡し
(別題)
おきなわたし

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
翁渡
初演
天明4.11(江戸桐座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の翁渡しの言及

【翁】より

…現在の文楽では〈寿式三番叟〉を上演する。
[歌舞伎・音楽の翁]
 顔見世や柿(こけら)落しで演じる式楽としての〈翁渡し〉のほかに三番叟と称してさまざまな祝儀舞踊曲がある。能楽の翁舞を基調としつつ,翁より三番叟が曲の中心となり,一般には〈三番叟物〉の名称で呼ばれる。…

【顔見世】より

…初日は江戸では11月1日が通例で,観客は前夜から徹夜で入場した。初日から3日間は,明け六つ(6時)ころに〈翁渡(おきなわた)し〉の式を行った。役者の給金は顔見世に年額の3分の1を渡す慣習であった。…

【柿落し】より

…現在は語源に関わりなく,新築あるいは改築の開場を記念して行う興行をいう。この興行に先立ち,開場式が行われ〈翁渡し〉があり《式三番叟》が演じられる。興行も,特別企画として祝儀気分のある演目を組むことがある。…

【三番叟物】より

…江戸歌舞伎では,顔見世興行の初日から3日間の早朝および正月元日の午前中,また柿(こけら)落しに,能楽の《式三番》を移した儀式舞踊を演じた。この行事を〈翁渡し〉といった。翁を太夫元,千歳(せんざい)を若太夫,三番叟を座頭役者が勤めるもので,天下太平,五穀豊穣(ほうじよう),芝居繁盛を祈願する心であった。…

※「翁渡し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」