裘代(読み)キュウタイ

デジタル大辞泉 「裘代」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐たい〔キウ‐〕【×裘代】

僧服の一。法皇門跡もんぜきおよび公卿で出家した人が、主として参内のときに着用する。俗人直衣のうしに相当する。

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世界大百科事典(旧版)内の裘代の言及

【皮∥革】より

…皮革には,呪術的・宗教的な意味も深く,シカの毛皮の衣を着た聖(ひじり)たちは平安時代より〈皮聖(革聖)(かわのひじり)〉と呼ばれ,シカの角を付した長いつえを手にして民間を布教し歩いたし,修験道の山伏たちも毛皮を腰に付して山野を修行してまわった。僧侶や法体の法皇・諸門跡(もんぜき)・参議以上の公家たちが宮中に参内のとき着用した礼服に裘代(きゆうたい)というのがあったが,これは〈かわしろ〉とも称し,〈裘〉すなわち皮衣に代わる服の意であった。【横井 清】
[ヨーロッパ]
 農耕と並んで牧畜が盛んに営まれたヨーロッパ世界では,皮革製品は早くからさまざまな用途に用いられていた。…

【法衣】より

…なお平安時代から,絹で仕立てた白色の同形式の鈍色(どんじき)も着用された。(3)裘代(きゆうたい),素絹(そけん),打衣(うちぎぬ),(かさね),空袍(うつほ)など平安時代に登場した裳付の法衣。(4)特異な法衣として,修験の鈴懸(すずかけ)や時宗の阿弥衣(あみぎぬ)がある。…

※「裘代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」