俗人(読み)ぞくじん

精選版 日本国語大辞典 「俗人」の意味・読み・例文・類語

ぞく‐じん【俗人】

〘名〙
① 僧に対して、世間一般の人。世俗の人。
※観智院本唐大和上東征伝(779)「僧道杭隠俗人家、亦被捉得
※宇治拾遺(1221頃)一二法師かたちに侍れど、俗人のごとくなれば」
② 世俗の営利栄誉にはしって、風流、学問を解しない人。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉一「それじゃア俗人(ゾクジン)には通じますまい」 〔荀子‐儒効〕

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デジタル大辞泉 「俗人」の意味・読み・例文・類語

ぞく‐じん【俗人】

世俗の名利などにとらわれている人。風流を解さない教養の低い人。「俗人には理解できない趣味
僧に対して、世間一般の人。世俗の人。
[類語]俗物俗輩凡俗馬の骨有象無象みいはあ

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普及版 字通 「俗人」の読み・字形・画数・意味

【俗人】ぞくじん

世俗の人。〔大唐新語、六〕狄仁、兒爲(た)りし時、門人を被るあり。縣就きて之れを詰(ただ)す。~仁堅坐して讀書す。~曰く、卷の中、賢備(つぶ)さに在り。ほ未だ對接せず。何ぞ俗人に偶して見るに暇あらんやと。

字通「俗」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の俗人の言及

【雅俗】より

…許慎の《説文解字(せつもんかいじ)》には〈俗とは習なり〉とあって,〈俗〉を風俗習慣のこととし,また同音でことばの意味を説明する劉熙(りゆうき)の《釈名(しやくみよう)》では〈俗とは欲なり,人の欲する所なり〉と,おなじく〈谷〉を音符とする欲,すなわち人間の欲望のこととしている。〈俗人〉〈俗物〉〈俗士〉などはつまらない人間を,〈俗儒〉はつまらない学者を,〈俗語〉は定格の文章語ではない日常的言語を意味するように,〈俗〉の語が軽蔑の感情をともなって用いられるのは,風俗習慣は常識に安住し因襲にしばられたもの,また人間の欲望はいとうべきものと考えられたからにほかならない。それに対して〈雅〉は,このような〈俗〉から離脱することによって成り立つ立場であって,〈雅とは正なり〉と説かれるのがもっとも一般的である。…

【在家】より

…(1)家にあって,職業をもち,家庭生活を営む人,またはその状態をさす。俗人,在家人,居家(こけ)ともいう。出家に対する語。…

※「俗人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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