コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

直衣 のうし

10件 の用語解説(直衣の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

直衣
のうし

元来,ただの衣の意で,公家の平常服のこと。家庭での私服として好みの色を用いたので,雑袍 (ざっぽう) とも呼ばれた。近世以降になると直衣のままでの参内も許されるようになり,その際の袍の色は,冬は白,夏は若年者は二藍,壮年者は縹 (はなだ) 色,老年者は白とほぼ定まった。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

なおし〔なほし〕【直衣】

のうし

のうし〔なほし〕【直衣】

《直(ただ)の衣、平服の意》平安時代以後、天皇・摂家・大臣など、公卿の平常服。衣冠袍(ほう)と同じ形で、烏帽子(えぼし)指貫(さしぬき)とともに着用した。衣冠と違い、位階による色の規定がないので、雑袍(ざっぽう)といわれる。

出典|小学館
デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

直衣【なおし】

直衣(のうし)

直衣【のうし】

平安時代以来の公家(くげ)の平常服。のちには公服,参朝服としても用いられた。形は束帯の袍(ほう)と同じで,色,服地など初めはきまりがなかったが,のち冬は浮線綾(ふせんりょう)の白綾(あや),夏は三重襷(みえだすき)を織り出した縹(はなだ)か二藍(ふたあい)の紗(しゃ)の【こめ】織(こめおり)が用いられた。
→関連項目礼服

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

のうし【直衣】

公家の衣服の一種。天皇,皇太子,親王,公卿が日常着として用いた。(ほう)の一種にあたる縫腋袍(ほうえきのほう)であるが,位階によって色が決められた位袍ではないため雑袍(ざつぽう)といわれた。直衣を着る装束の構成は衣冠とほぼ同じで,烏帽子(えぼし)に直衣,衵(あこめ),単(ひとえ),指貫(さしぬき)で,冬に檜扇(ひおうぎ),夏に蝙蝠(かわほり)扇を手にした。平安時代後期になると雑袍の勅許といって,直衣宣下を受け天皇の許可を得て公卿とその子息も直衣で参朝できるようになり,そのときは烏帽子の代りに冠をかぶった。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

ちょくい【直衣】

なおし【直衣】

のうし【直衣】

〔直ただの服の意〕
天皇以下、貴族の平常の服。束帯の袍ほうと同じ形であるが、位による色目・文様の制限がない。通常、烏帽子えぼしと指貫さしぬきの袴はかまを用いる。勅許を得た者は直衣姿で参内することができた。雑袍ざつぽう

出典|三省堂
大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

直衣
のうし

公家(くげ)の衣服で、袍(ほう)の一種。直(なお)し衣の意。天皇、皇太子、親王、公卿(くぎょう)が日常着として用いた。形は衣冠の袍と同じ縫腋袍(ほうえきのほう)であるが、位階によって色が決められた位袍ではないため、雑袍(ざっぽう)といわれた。直衣を着る装束の構成は、衣冠とほぼ同じであるが、烏帽子(えぼし)をかぶり、直衣、袙(あこめ)、単(ひとえ)を着て、指貫(さしぬき)、下袴(したばかま)をはき、冬に檜扇(ひおうぎ)、夏に蝙蝠(かわほり)扇を手にした。平安時代末期になると雑袍の勅許といって、直衣宣下(せんげ)を受け天皇の許可を得て、公卿とその子息は直衣で参朝できるようになり、そのときは烏帽子のかわりに冠をかぶった。そこでこの姿を冠直衣といい、通常の姿を烏帽子直衣とよぶこととなった。幼年の者は烏帽子や冠をかぶらず、髪形を美豆良(みずら)のままとし、小型の童(わらわ)直衣を着た。
 直衣の色目(いろめ)は、位袍の色以外のものであれば自由であったが、平安時代後期になると、冬は表を白、裏を紫か二藍(ふたあい)(桜)、紅(紅梅)、青(柳)などとして襲(かさね)色目にした。夏は単仕立てで二藍(若年)、縹(はなだ)(壮年)、白(宿老)とした。冬の裏地、夏の生地(きじ)とも一般に濃い色は若年、薄い色は老年が用いるものであった。冬の裏地の紅や紫は若年、二藍は成年、青は壮年、浅葱(あさぎ)は老年が用いた。地質について、幼年の冬は浮織物、その他は綾(あや)。文様は天皇、皇太子が小葵(こあおい)、その他は唐花(からはな)の丸や臥蝶(ふせちょう)の丸。幼年、壮年ともに夏の地質は(こく)、文様は、幼年が小型の三重襷(みえだすき)、壮年が三重襷である。
 平安時代末期以後、天皇は通常の直衣のほか、御引(おひき)直衣または御下(おさげ)直衣と称し、身丈をやや長く仕立てたものを掻込(かいこ)みをせず、裾(すそ)をそのまま垂らして後方に引く形式のものを着用した。このときは長御打衣(ながのおんうちぎぬ)、長御単を着て、指貫のかわりに紅の御長袴をはく。小(こ)直衣は狩衣(かりぎぬ)直衣、有襴(うらん)狩衣ともいい、狩衣の裾に同じ生地(きじ)の襴をつけた形式のもの。また前後の裾が襴によってつながれているため傍続(そばつぎ)ともよばれた。これは狩衣よりかしこまった服装として、上皇、親王、大臣、大将のみに用いられ、上皇が着装するときは甘(かん)の御衣(おんぞ)といった。小直衣の地質、色目、文様は狩衣と同じである。[高田倭男]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の直衣の言及

【衣】より

…衣服一般の名称のほか,とくに直衣(のうし)や狩衣(かりぎぬ)の下着をいう場合がある。古来,絹を〈きぬ〉とよみ,また衣をも〈きぬ〉と称したが,衣服の場合,その地質の名称や加工の過程が衣の名称になることは後世にもその例が多い。…

【服装】より

…布袴は束帯のうち表袴をやめて指貫(さしぬき)に代えたもので,衣冠はこの布袴をさらに簡略にしたもので,これらの服装に着用された指貫は,奈良時代の括緒袴(くくりおのはかま)に由来するものであった。 当時の公家日常の服装としては直衣(のうし),狩衣(かりぎぬ)などがあった。藤原氏一門の繁栄にともなって,唐風模倣を離れて独特な服装が発達した。…

※「直衣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

百条委員会

地方自治体が議決により設置する特別委員会の一つ。名称は「地方自治法第100条」に基づく。百条委員会は、地方公共団体の事務に関する調査を行い、関係者への聞き取りや記録の提出を請求、拒否した者には罰則が科...

続きを読む

コトバンク for iPhone

直衣の関連情報