日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカンサス文様」の意味・わかりやすい解説 アカンサス文様あかんさすもんよう 地中海沿岸地方に野生するとげのある多年草の植物アカンサスAcanthusを図様化した装飾文。紀元前5世紀、アテネの彫刻家カリマコスKallimachosがコリント式建築の柱頭装飾に用いたのが始まりとされている。アカンサス文様はその後ヨーロッパ建築の柱頭装飾の基本形式として受け継がれたばかりか、しばしば工芸品の装飾にも用いられている。その様式には、葉先が鋭くとがったギリシア風のアカンサス・スピノサスAcanthus spinosusと、葉先がやや丸味を帯びたローマ風のアカンサス・モリスA. mollisの二様がある。[前田正明] アカンサス文様 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例