アジア通貨単位(読み)アジアツウカタンイ

デジタル大辞泉 「アジア通貨単位」の意味・読み・例文・類語

アジア‐つうかたんい〔‐ツウクワタンヰ〕【アジア通貨単位】

アジア開発銀行が2007年3月から公表している、東南アジア諸国連合10か国と日本・中国韓国通貨の加重平均値。組み込み比率を参加各国GDPや貿易額を参考に決める、数字上の共通通貨に相当するもの。為替管理指標となる。ドル依存からの脱却を図り、アジア地域での資金調達を容易にすることをめざす。ACUアキュー(Asian Currency Unit)。AMU(Asian Monetary Unit)。→エキュー(ECU)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「アジア通貨単位」の解説

アジア通貨単位

ASEAN(東南アジア諸国連合)と日中韓の計13カ国(ASEAN+3)の通貨に各国の経済力や貿易額を反映した加重平均値を算出し、為替管理に役立てる指標。欧州共通通貨ユーロの前身、「欧州通貨単位(ECU=エキュー)」がモデルで、略称ACU(アキュー)。アジア諸国の通貨は円や元を除きドルとの強い連動性がみられるが、ドルの不安定化でアジアの為替が不安定化することを防ぐのを目的とする。日本が主導しアジア開発銀行(ADB)で共同研究している。ただ、ACUの先にアジア通貨統合があるのではないかとの思いがつきまとうだけでなく、ACUによって自国の金融・財政政策が他国によって束縛されるとの懸念をもつ財政当局者が多く、実現までには曲折が予想される。

(片山裕 神戸大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android