アルメニア文学(読み)アルメニアぶんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルメニア文学」の意味・わかりやすい解説

アルメニア文学
アルメニアぶんがく

5世紀初めの聖メスロープによるアルメニア文字の考案以前にも口承文学が存在していたが,現在に伝わるものはない。5世紀以降,『アルメニア史』を書いたモーセス,聖グリゴル・ナレカツィ,大主教シノラリら,文化活動は長く聖職者に限られていた。アルメニア文化は,12世紀以降東西に分裂し,14世紀末にはチムールの侵略を受けて長期にわたり衰退。 16~18世紀,吟遊詩人が輩出し,ナアベト・クチャク,アルティン・サヤディヤン (サヤト=ノバ) が傑出した。 19世紀には詩人 H.トゥマニヤン,小説家では E.L.オティヤン,K.アボビヤン,H.メリク=ハコビヤン (筆名ラフィ) ,劇作家では H.パロニヤン,G.スンドキヤンなどが活躍した。

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世界大百科事典(旧版)内のアルメニア文学の言及

【ソビエト文学】より

…ソビエト期には数多くの詩人が輩出したが,タビーゼTitsian Tabize(1895‐1937),ヤシビーリPaolo Yashvili(1895‐1937)らスターリン粛清の犠牲となった詩人も多い。アルメニアではキリスト教が世界で最も早く国教化されており,アルメニア文学も19世紀まで,キリスト教会の影響を強く受けている。アルメニアの一部がロシアに併合された後は,トルコ領に残るアルメニア人の担う西方アルメニア文学が独立し,イスタンブールを中心に活躍するが,トルコの弾圧を受け,パリ,ボストンに中心が移っている。…

※「アルメニア文学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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