アンチモン鉱物(読み)アンチモンこうぶつ(その他表記)antimony mineral

改訂新版 世界大百科事典 「アンチモン鉱物」の意味・わかりやすい解説

アンチモン鉱物 (アンチモンこうぶつ)
antimony mineral

アンチモン鉱物としては,輝安鉱stibnite Sb2S3,方安鉱senarmontite Sb2O3,バレンチン鉱valentinite(アンチモン華ともいう)Sb2O3,セルバンタイトcervantite(セルバンテス鉱ともいう)Sb2O4,ケルメサイトkermesite(紅安鉱ともいう)Sb2S2O,黄安鉱stibiconite Sb3O6OH)などがあるが,アンチモン鉱石として重要なのは輝安鉱のみである。輝安鉱はふつう低温熱水性鉱脈鉱床に産するが,他の鉱物はこの輝安鉱鉱床の酸化帯にのみ産する。アンチモン鉱物にはこれらのほかに,四面安銅鉱tetrahedrite(Cu,Fe)12Sb4S13,濃紅銀鉱pyrargyrite Ag3SbS3,ブーランジェ鉱boulangerite Pb5Sb4S11,車骨鉱bournonite PbCuSbS3,毛鉱jamesonite Pb4FeSb6S14などのアンチモンを主成分として含む硫塩鉱物が数多く知られている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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