日本大百科全書(ニッポニカ) 「いたちごっこ」の意味・わかりやすい解説
いたちごっこ
「いたちごっこ・ねずみごっこ」ともいう。AB2人が向かい合って、「いたちごっこ、ねずみごっこ」と唱えながら、Aが右指で自分の左手の甲をつまみ、Bは左手でAの右手の甲を、右手で自分の左手の甲をつまむ。このようにしてかわるがわる次々とつまんでいくことを果てしなく繰り返す遊びを、「いたちごっこ・ねずみごっこ」とよんだ。川柳(せんりゅう)『柳樽(やなぎだる)』に、「いが栗(ぐり)をいたちごっこでつまみあげ」という句がある。遊びと限らず何事でも双方が同じことを繰り返しているのを、いたちごっことよび、いまも日常のことばとして使われている。いまは幼い子供の遊びであるが、同じ遊びを「一がさした、二がさした」と繰り返し、八つ目には「蜂(はち)が刺した」、九つ目には「熊(くま)ん蜂が刺した」といって強くつまんで終わる遊びがある。
[丸山久子]