川柳(読み)せんりゅう

  • かわやなぎ
  • かわやなぎ〔かは〕
  • せんりゅう センリウ
  • せんりゅう〔センリウ〕
  • 川柳 (カワヤナギ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

江戸時代中期以後,江戸を中心に流行した 17音詩。雑俳の一つである前句付 (まえくづけ) が,その付合 (つけあい) の興味よりも一句としてのおもしろみをねらって独立したもの。名称は,柄井 (からい) 川柳の点じた前句付を「川柳点の前句付」「川点」と呼んだのが,同種のもの一般の称となり,大正になって「川柳」に定着。俳句と異なり,季語,切字 (きれじ) の約束がなく,人事万般を題材にし,主として口語を用い,簡潔,滑稽,機知,風刺奇警を特徴とする。作者は無名の一般庶民で,文化史や庶民言語の資料としても貴重。『川柳評万句合』 (1757) ,『柳多留 (やなぎだる) 』『武玉川 (むたまがわ) 』などの選句集に代表句がみられる。

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デジタル大辞泉の解説

川のほとりにある柳。ふつうネコヤナギをいう。かわやぎ。
ヤナギ科の落葉低木または小高木。葉は互生し、細長い楕円形もしくは披針形で裏が白い。雌雄異株。早春、葉より先に黄白色の花が穂状に咲く。日当たりの良い水辺に生える。→蒲柳の質
番茶の上質なもの。
川柳(せんりゅう)」を訓読みにした語。柄井川柳(からいせんりゅう)、または川柳点(せんりゅうてん)のこと。
柄井川柳(からいせんりゅう)
江戸中期に発生した雑俳の一。前句付け付句が独立した17字の短詩で、その代表的な点者であった初世柄井川柳の名による。季語切れ字などの制約はなく、口語を用い、人生の機微世相・風俗をこっけいに、また風刺的に描写するのが特色。川柳点。狂句

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百科事典マイペディアの解説

前句付から独立した雑俳様式で,滑稽(こっけい),諧謔(かいぎゃく),風刺を主旨とする江戸文芸の一種。前句付の点者柄井(からい)川柳の点を川柳点と呼んだが,その高点句集《柳多留》で前句付の前句を省いて,付句を単独で示す編集方針をとったため,付味(つけあじ)より1句独立の作柄に関心がうつり,5・7・5単独1句でつくられるようになった。これがやがて川柳風〈狂句〉と呼ばれ,明治期には〈川柳〉と呼ばれるようになった。発句のような季題,切れ字などの制約がなく,自由な人事詠を可能にしたが,卑俗,また知的遊戯に陥りやすくもある。
→関連項目江戸っ子江戸文学狂句雑俳

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世界大百科事典 第2版の解説

前句付(まえくづけ)から独立した雑俳様式の一つ。川柳風狂句。17音を基本とする単独詠だが,発句(ほつく)のように季語や切字(きれじ)を要求せず,人事人情を対象にして端的におもしろくとらえる軽妙洒脱な味を本領とする。江戸の柄井川柳が《柳多留(やなぎだる)》(初編1765)で前句付の前句を省く編集法をとったため,しだいに付け味よりも付句一句の作柄が問題とされ,やがて5・7・5単独一句で作られるようになり,初代川柳の没後,〈下女〉〈居候〉などの題詠として前句付様式から離脱独立した。

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飲み物がわかる辞典の解説


緑茶の一種で、番茶の上等なもの。煎茶用に摘採され、その製造工程でより分けられた少し大きめの葉を用いたものをいうことが多い。◇「かわやぎ」ともいう。

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精選版 日本国語大辞典の解説

[2] 〘名〙 (「川柳点」の略) 江戸中期に発生し、一七音を基準として機智的な表現によって、人事、風俗、世相などを鋭くとらえた短詩型文学。もともと俳諧の「前句付(まえくづけ)」に由来するが、元祿(一六八八‐一七〇四)以降、付味よりも、滑稽、遊戯、うがちなどの性質が拡充された付句の独立が要求されるようになり、一句として独立し鑑賞にたえる句を集めた高点付句集が多く出版され、新しい人事詩、風俗詩となった。享保(一七一六‐三六)頃から、点者の出題に応じた「万句合(まんくあわせ)」が江戸で盛んになり、その点者、柄井川柳が代表的存在であったところから「川柳」の名称が生まれる。文化・文政(一八〇四‐三〇)頃、「狂句」とも呼ばれた。川柳点。
※黄表紙・金々先生造花夢(1794)「仰向いて搗屋(つきや)秋刀魚(さんま)をぶつり食ひ、とは川柳の名句であった」

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

江戸中期から盛んになった狂句
1757年柄井 (からい) 川柳が点者 (てんじや) (選者)となって前句付 (まえくづけ) (7・7の下句を題として前句5・7・5をつけさせる)の勝句を集めた川柳評万句合 (まんくあわせ) を版行し,以来江戸庶民の間に盛行。俗語体で人情風俗の機微を「うがち」の中でとらえた。最初の川柳集は,彼の選句を集めた『誹風柳多留』で,167編まで刊行され,宝暦・安永天明(18世紀中期)が最盛期。しかし幕末になると,卑俗になり,技巧のみに走るようになった。

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世界大百科事典内の川柳の言及

【チャ(茶)】より

…番茶には硬化した茶葉から製造したものと,荒茶再製時に選別したものとがある。川柳(かわやなぎ)は上・中級煎茶から選別された上級番茶であり,ほうじ茶は番茶を茶褐色になるまで加熱したもので,独特のこうばしい香りがある。 釜炒茶は中国で生産される緑茶の大部分を占め,形状,産地などで数十種の銘柄がある。…

【柄井川柳】より

…なお,この定例会のほか,休会中も,角力会や組連主催の五の日興行の〈五五(ごご)の会〉の撰もしたが,彼の名を高めたのは高点付句集《柳多留》であった。単独句鑑賞用のこの句集が,独立詠としての川柳風狂句という新様式を生み,前句付点者川柳は,川柳風狂句の祖と仰がれることになる。ただし,彼の作品は発句3句のみで,作品をもたぬ点者として特異な存在といえる。…

※「川柳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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