ウスール

百科事典マイペディア 「ウスール」の意味・わかりやすい解説

ウスール

トルコの拍節法。アラブイーカーアが独特に発展したもので,デゥムdum(低音)とタクtak(高音)という対照的な二つの太鼓音色で示されるリズム周期。ウスールの数は40から50にものぼり,2拍子,3拍子,4拍子などの単純なものから,48拍あるいは88拍を1周期とするものまである。また5拍子や7拍子,13拍子など非対称的なリズムが多く,8拍子も3+2+3に,9拍子も3+2+2+2や2+2+2+3に細分されたりする。

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改訂新版 世界大百科事典 「ウスール」の意味・わかりやすい解説

ウスール
uṣūl[アラビア]

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世界大百科事典(旧版)内のウスールの言及

【アラブ音楽】より

…のち,イスラム文化は沈滞期に入り,その音楽の中心地はトルコへ移った。しかし,彼らによって大成されてきた音楽理論との関連は今日のアラブ古典音楽の中にみられ,演奏はマカームと,イーカーアまたはウスールと呼ばれるリズム型に基づいて行われる。即興演奏が重んじられ,単旋律中心でメリスマ的,中間音程をもつ。…

【イーカーア】より

…それぞれのリズム型は〈何々の拍子〉という名前をもっており,実際の演奏では旋律はこのリズム型の繰返しの上にあてはめて展開される。このリズム型はウスールuṣūlと呼ばれる。このリズム型を意味するのにワズンwazun,ダルブḍarbの語が用いられることもある。…

【シャリーア】より

… シャリーアは神の命令の具体的体系的表現として絶対不変であるが,他方ではそれは人間が解釈したものとして歴史的であり,それが古典的な形で成立するまでには2世紀を要した。法解釈の方法論として,コーランを補うものとしてスンナイジュマー,キヤース(類推)が法源(ウスール)として確立したが,これらのいずれを重視し,どの範囲まで用いるかによって具体的解釈に違いが生じ,多くの学派が生まれた。今日では,ハナフィー派マーリク派シャーフィイー派ハンバル派の四法学派がいずれもスンナ派の公認学派として残っている。…

【トルコ音楽】より

…こうしたバランスの概念は音楽形式や演奏会のプログラムの組み方にも表れる。 旋律はマカームと呼ばれる旋法に基づき,そこには細かい微小音程や増音程を含んだ膨大な理論体系をもつ一方,拍子はウスールusulと呼ぶ旋律型に基づく理論があり,5,7,9拍子といった付加的拍子も含め種々の拍子がある。また,器楽の即興演奏タクシムでは拍子にはとらわれず自由リズムで独奏する。…

※「ウスール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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