カスタマー・エクイティ(読み)かすたまーえくいてぃ(その他表記)customer equity

知恵蔵 「カスタマー・エクイティ」の解説

カスタマー・エクイティ

顧客自体が資産価値(エクイティ)を持つという発想のもとで計算された、顧客生涯価値。以前のように市場が成長していた時代は、新規の顧客を次々と獲得していくことで需要増大が見込めたが、成熟ないしは停滞した市場では、むしろ既存の顧客を維持し、長期的な関係性を構築する戦略が重要であると認識されるようになった。これは、ロイヤルティ(忠誠)の高い優良顧客が、企業全体の売り上げのかなりの部分を占めることや、既存顧客を維持するための販売促進プログラム(例:航空会社のマイレージ・プログラムや小売業のポイントカード)の方が、新規顧客を獲得するための販売促進コスト(例:不特定多数を対象とした広告)よりも割安であるという事実により裏打ちされている。米国のマーケティング学者、ブラットバーグとデートンらが代表的提唱者。実際のカスタマー・エクイティの試算方法も開発され、企業のコンサルテーションにも生かされている。

(高橋郁夫 慶應義塾大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

マーケティング用語集 「カスタマー・エクイティ」の解説

カスタマー・エクイティ

企業が持つ顧客生涯価値の総和のこと。顧客一人一人が一生をかけてその企業に対してもたらしてくれる利益合計
カスタマーエクイティを高めることが、企業競争力を高めることといえる。自社の顧客流出を抑え、新規顧客を多く開拓する。そして、顧客との良好な関係を維持・発展させることで顧客生涯価値を高めることが重要となります。

出典 (株)マインズマーケティング用語集について 情報

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