デジタル大辞泉 「関係」の意味・読み・例文・類語
かん‐けい〔クワン‐〕【関係】
1 二つ以上の物事が互いにかかわり合うこと。また、そのかかわり合い。「前後の
2 あるものが他に対して影響力をもっていること。また、その影響。「気圧の
3 人と人との間柄。また、縁故。「あの人とはどういう
4 性的に交わること。「人妻と
5 (他の名詞の下に付いて)その方面。そういう領域。「音楽
[類語](1)関連・連関・連係・相関・関与・交渉・
( 1 )中国、宋代以降の口語語彙と思われる。
( 2 )中世以降、日本でも「史記抄」などの抄物では中国の用法に沿う①の意の例が見られる。しかし、幕末に、蘭学系統の人たちが②の意味に用いはじめ、その後、「哲学字彙」を経て定着した。
哲学用語。伝統的なヨーロッパの存在観においては,独立自存する〈実体〉なるものがまずあって,実体どうしの間に,第二次的に〈関係〉が成立するものと考えられてきた。これに対して,〈関係〉こそが第一次的な存在であり,いわゆる実体は〈関係の結節〉ともいうべきものにすぎないと考える立場が,仏教の縁起観など,古くから存在したが,現代においてはこの〈関係主義〉的存在観が優勢になりつつある。ところで,〈関係〉とは何であり,それにはいかなる種類があるかについての分析的討究は,仏教哲学においても,西洋哲学においてもロックやD.ヒューム以来おこなわれているが,スタンダードな総括的定見はまだ確立していない。論理学や数学基礎論,社会諸科学などにおける〈関係〉の規定や分類も,現状ではまだ周到とは言えない。暫定的には〈一者-他者〉的に分節可能な両契機の間に,一者が当の一者としてあるのは当該他者に〈対して〉であり,他者が当の他者としてあるのは当該一者に〈対して〉であるごとき態勢が存立するとき,この〈一者-対-他者〉を存在的関係と定義する。一者が当の一者としてあるのは当該他者に〈因(よ)って〉であるときを機能的関係と呼び,一者が当の一者としてあるのは当該他者に〈拠(よ)りて〉であるときを論理的関係と呼ぶ。関係を〈関係〉として定義する真の要件は〈として〉〈ある〉および,上に言う〈対して〉〈因って〉〈拠りて〉を存在論的・認識論的に規定することにかかっている。なお,関係の分類は,関係を一種の〈もの〉として〈類-種〉的に分類したのでは不可であり,関係をあくまで〈こと〉として弁証法的に定位する〈上向法〉にまたねばならない。
→弁証法
執筆者:廣松 渉
数学用語。集合Xと集合Y(X=Yでもよい)の元x,yに関する命題で,x,yを定めれば真偽が確定するとき,その命題を関係または2項関係という。X=Y=(実数全体)のときの〈x≧y〉,Y=(Xの部分集合全体)のときの〈x∈y〉などはその例である。一つの関係をRで表したとき,x,yについてその命題が真であるとき,x,yはその関係を満たすといい,xRyと書く。x≧y,x∈yなどの≧,∈は上のRの例である。一つの関係Rに対して,yR⁻1x⇔xRyによって定まる関係R⁻1をRの逆関係という。≧の逆関係は≦である。X=Yのとき,(1)すべてのx∈XについてxRxであれば,Rは反射的,(2)RとR⁻1とが同じであれば,Rは対称的,(3)xRyかつyRzならばxRzが成り立つならば,Rは推移的,(4)xRyかつyRxならばx=yであるならば,Rは反対称的であるという。
執筆者:永田 雅宜
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論理学では、かなり形式的に、関係を分類する。たとえば、「Rがaとbとの間に成り立てば、bとaとの間にも成り立つ」という条件を満たす関係Rは「可逆的な関係」とよばれ、「Rがaとbとの間に成り立ち、またbとcとの間にも成り立てば、aとcとの間にも成り立つ」という条件を満たす関係Rは「推移的な関係」とよばれる。一例をあげれば、友人関係は、一般に可逆的な関係であるが、推移的な関係ではない。なお、論理学では、普通の関係のほか、3項関係、4項関係など、一般にn項関係も考える。
たとえば2項関係の場合、その関係の成立する対の全体からなる集合を使ってこの関係を代表させることができる。こうして一般に関係を集合とみなすことにより、集合論の成果を関係についての議論に適用することができるようになり、その結果「関係の論理学」が見通しのよいものとなった。
[吉田夏彦]
字通「関」の項目を見る。
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出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
…数学用語。集合Xと集合Y(X=Yでもよい)の元x,yに関する命題で,x,yを定めれば真偽が確定するとき,その命題を関係または2項関係という。X=Y=(実数全体)のときの〈x≧y〉,Y=(Xの部分集合全体)のときの〈x∈y〉などはその例である。一つの関係をRで表したとき,x,yについてその命題が真であるとき,x,yはその関係を満たすといい,xRyと書く。x≧y,x∈yなどの≧,∈は上のRの例である。一つの関係Rに対して,yR-1x⇔xRyによって定まる関係R-1をRの逆関係という。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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