日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガッシャブルム山」の意味・わかりやすい解説
ガッシャブルム山
がっしゃぶるむさん
Gasherbrum
インド北部、カラコルム山脈バルトロ氷河のコンコルディア広場の東側にそびえる高峰群。ほぼ東から西へガッシャブルム第1峰(8068メートル)、第2峰(8035メートル)、第3峰(7925メートル)、第4峰(7980メートル)、第5峰(7321メートル)、第6峰(7003メートル)の各峰が並ぶ。ガッシャブルムとはバルティ語で「輝く壁」を意味し、この名称は最初は第4峰をさしてよばれたという。第1峰は別名をイギリスのマーティン・コンウェーによってヒドン・ピーク(隠れた峰)と命名されている。これらの峰は二畳紀の厚い石灰岩からなり、第4峰の頂上部は明るい石灰岩からなる。バルトロ氷河地域の探検は、1892年のコンウェーの遠征に始まり、1909年と29年のイタリア隊、34年のディレンフルトの国際隊、36年のフランス隊が入ったが成果がなく、第2峰は56年7月にオーストリア隊、第1峰は58年7月のアメリカ隊、第4峰は58年7月のイタリア隊によってようやく初登頂された。またガッシャブルム第3峰は75年ポーランド隊により初登頂された。
[金子史朗]