キャロライン・ケネディ(読み)きゃろらいん・けねでぃ(その他表記)Caroline Bouvier Kennedy

知恵蔵 「キャロライン・ケネディ」の解説

キャロライン・ケネディ

米国第35代大統領ジョン・F・ケネディ長女。1957年、ニューヨーク生まれ。カトリック教徒で、作家・弁護士・教育者などの肩書を持つ。政治家としての実績はないが、2013年11月、第29代駐日米国大使に就任した。オバマ大統領からの信頼が厚く、リベラルな現実主義者という評価が多い。
ケネディ大統領在任中(61~63年)はホワイトハウスで育ち、父の死後一家でニューヨークに移住した。68年に母ジャクリーンがギリシャの海運王オナシスと結婚すると、その保護のもと学業に専念し、東海岸の名門ラドクリフ大学(その後ハーバード大学に統合)で美術学の学士号を取得した。86年、メトロポリタン美術館に勤務中、デザイナーで12歳年上のエドウィン・シュロスバーグと結婚、2女1男をもうけた。88年にはコロンビア大学ロースクールを卒業し、弁護士資格も得ている。
これまで政治活動とは無縁で、公立学校基金の理事、ジョン・F・ケネディ記念図書館の理事、ハーバード・ケネディスクールの顧問などのほか、様々な慈善活動に関わってきた。また、ポエム集の編さん、市民権・プライバシー権などに関する本の執筆(共著)も行い、いくつかはベストセラーになっている。
政治の表舞台に初めて姿を見せたのは、2000年の民主党全国大会である。アルバート・ゴア候補の応援演説壇上に立ち、大きな注目を集めた。08年の大統領選(民主党候補選)では、バラク・オバマの支持を表明し、それまでのヒラリー・クリントン優位の流れを逆転させている。今回の駐日米国大使就任は、この時の論功人事という見方が強い。翌09年には、ニューヨーク州上院議員補欠選挙への出馬を表明したが、政治経験の乏しさを指摘され断念した。
20歳のときに叔父のエドワード・ケネディ(当時上院議員)と来日し、広島の平和記念公園を訪問。新婚旅行でも、京都や奈良を訪れている。俳句を始め、日本の文化・歴史への関心も強い。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2013年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

現代外国人名録2016 「キャロライン・ケネディ」の解説

キャロライン ケネディ
Caroline Bouvier Kennedy

職業・肩書
駐日米国大使 ケネディ第35代米国大統領の長女

国籍
米国

生年月日
1957年11月27日

出生地
ニューヨーク市

学歴
ラドクリフ・カレッジ卒,コロンビア大学ロースクール修了

経歴
1963年11月に暗殺されたケネディ米国大統領とジャクリーン夫人の長女。父親の大統領就任に伴って3歳でホワイトハウスに移り住み幼少期を過ごす。5歳で父親を失った後、母に連れられてニューヨークに移り、メディアから遠ざけられて育った。ラドクリフ・カレッジ、コロンビア大学で学び、’80年メトロポリタン美術館に勤務。弁護士資格を持ち、作家、慈善活動家としても活動。2008年大統領選の民主党予備選に出馬したバラク・オバマを支持し、一躍脚光を浴びる。2012年の大統領選にもオバマ大統領の再選キャンペーンの共同チェアマンを務めた。この間、2009年にはヒラリー・クリントンの国務長官就任に伴い、ニューヨーク州選出の上院議員の後継候補となるが、叔父のエドワード・ケネディ上院議員の健康状態を理由に撤退。2013年7月オバマ大統領が駐日大使に指名、11月就任。多額の資産を相続し、資産家としても知られる。デザイナーの夫、エドウィン・シュロスバーグとの間に一男二女がある。

出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報

知恵蔵mini 「キャロライン・ケネディ」の解説

キャロライン・ケネディ

米国初の女性駐日アメリカ合衆国大使(第29代)。1957年11月27日、ニューヨーク生まれ。フルネームはCaroline Bouvier Kennedy。60年に35代大統領となったジョン・F・ケネディの長女。ハーバード大学とコロンビア大学法科大学院を卒業後、弁護士資格を取得。メトロポリタン美術館在職中の86年に結婚、1男2女をもうける。王室のない米国で「プリンセス」と称され大きな注目を浴びつつ、慈善事業や教育改革などに取り組んできた。作家、教育者としても知られ、政治・外交の実績はないが抜群の知名度と発信力を持つ。父の暗殺から50年という節目の年である2013年、駐日アメリカ大使に任命され11月15日に来日。同19日には、2頭立ての儀装馬車で移動しオバマ大統領からの信任状を天皇陛下に手渡す儀式を経て正式に大使に就任した。

(2013-11-21)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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