知恵蔵 「キャロライン・ケネディ」の解説
キャロライン・ケネディ
ケネディ大統領在任中(61~63年)はホワイトハウスで育ち、父の死後は一家でニューヨークに移住した。68年に母ジャクリーンがギリシャの海運王オナシスと結婚すると、その保護のもと学業に専念し、東海岸の名門ラドクリフ大学(その後ハーバード大学に統合)で美術学の学士号を取得した。86年、メトロポリタン美術館に勤務中、デザイナーで12歳年上のエドウィン・シュロスバーグと結婚、2女1男をもうけた。88年にはコロンビア大学ロースクールを卒業し、弁護士資格も得ている。
これまで政治活動とは無縁で、公立学校基金の理事、ジョン・F・ケネディ記念図書館の理事、ハーバード・ケネディスクールの顧問などのほか、様々な慈善活動に関わってきた。また、ポエム集の編さん、市民権・プライバシー権などに関する本の執筆(共著)も行い、いくつかはベストセラーになっている。
政治の表舞台に初めて姿を見せたのは、2000年の民主党全国大会である。アルバート・ゴア候補の応援演説で壇上に立ち、大きな注目を集めた。08年の大統領選(民主党候補選)では、バラク・オバマの支持を表明し、それまでのヒラリー・クリントン優位の流れを逆転させている。今回の駐日米国大使就任は、この時の論功人事という見方が強い。翌09年には、ニューヨーク州上院議員補欠選挙への出馬を表明したが、政治経験の乏しさを指摘され断念した。
20歳のときに叔父のエドワード・ケネディ(当時上院議員)と来日し、広島の平和記念公園を訪問。新婚旅行でも、京都や奈良を訪れている。俳句を始め、日本の文化・歴史への関心も強い。
(大迫秀樹 フリー編集者 / 2013年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報