クズネツォフ級航空母艦(読み)クズネツォフきゅうこうくうぼかん(その他表記)Kuznetsov class aircraft carriers

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クズネツォフ級航空母艦」の意味・わかりやすい解説

クズネツォフ級航空母艦
クズネツォフきゅうこうくうぼかん
Kuznetsov class aircraft carriers

旧ソ連海軍が建造した,斜甲板を装備した本格的航空母艦。当初予想されたカタパルトは技術的困難から採用が見送られ,飛行甲板先端に角度 12゜のスキー・ジャンプ台が備えられた。また原子力推進の噂もあったが,通常推進式となっている。建造当初『レオニード・ブレジネフ』と呼ばれたが,その後『トビリシ』に変更,さらに『アドミラル・クズネツォフ』と名を変えた。これは 1980年代末から 90年代初めにかけての政治情勢の急変とソ連邦崩壊に伴う混乱を裏づけるものである。航空母艦としては異例の各種ミサイルを搭載しているが,これは旧ソ連海軍が水上攻撃力を重視していたためである。搭載する固定翼機は Su-27。主要目は,満載排水量6万 7500t,全長 304.5km,最大速力 32kn,SS-N-19対艦ミサイル垂直発射機 12,SA-N-9対空ミサイル6連装発射機4,30mm連装ガトリング・SN-N-11ミサイル発射機8,30mmガトリング機関砲6,RBU対潜ロケット発射機2,固定翼機 24,ヘリコプタ 15~18。

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