日本大百科全書(ニッポニカ) 「クチブトカメムシ」の意味・わかりやすい解説
クチブトカメムシ
くちぶとかめむし / 口太椿象
昆虫綱半翅(はんし)目カメムシ科クチブトカメムシ亜科Asopinaeに属する昆虫の総称、またはそのなかの1種。体は楕円(だえん)形から楯(じゅん)形。大形種を含み、体長7~20ミリメートル。口吻(こうふん)はやや扁平(へんぺい)で太く、この特徴からその名がある。日本には10種が知られ、いずれも樹上などで鱗翅(りんし)類の幼虫やほかの小昆虫をとらえ、それらの体液を吸う。ルリクチブトカメムシZicrona caeruleaはカミナリハムシ類の幼虫をとらえ、日本最大で体長約22ミリメートルのアオクチブトカメムシDinorhynchus dybowskyiは多数のガ類の幼虫を捕食する。クチブトカメムシPicromerus lewisiは体長10~15ミリメートルで、体は楕円形。クチブトカメムシによく似たものにオオクチブトカメムシP. fuscoannulatusがあり、体長16~17ミリメートルでやや大きい。
[林 正美]