化学辞典 第2版 「クロロ鉛酸塩」の解説
クロロ鉛酸塩
クロロナマリサンエン
chloroplumbate
次の3種類が知られている.【Ⅰ】テトラクロロ鉛(Ⅱ)酸塩:計算量の塩化鉛(Ⅱ)と各金属塩化物を溶融するか,混合水溶液から得られる.無色の結晶.水にやや溶けて分解する.MⅠ2[PbCl4](MⅠ = K,NH4,Rb,Csなど),MⅡ[PbCl4](MⅡ = Mg,Ca,Sr,Baなど)が得られている.【Ⅱ】ヘキサクロロ鉛(Ⅱ)酸塩:塩化鉛(Ⅱ)を各金属塩化物の濃水溶液に溶かすと得られる.無色の結晶.独立した八面体型の [PbⅡCl6]4- が存在する.MⅠ4[PbCl6](MⅠ = NH4,K,Csなど),MⅡ2[PbCl6](MⅡ = Mg,Caなど)が知られている.【Ⅲ】ヘキサクロロ鉛(Ⅳ)酸塩:塩化鉛(Ⅱ)を濃塩酸に溶かし,塩素を通じると,H2[PbCl6]の水溶液から得られる.これに塩化アルカリを溶かし,冷却して,HClを通すとアルカリ塩MⅠ2[PbCl6](MⅠ = NH4,K,Rb,Csなど)が得られる.K塩は黄色の結晶で,K2[PtCl6]型構造をもち,独立した八面体型の [PbⅣCl6]2- を含む.水で加水分解するとPbO2を生じる.また,加熱すると,Cl2 を発生して分解する.[CAS 16871-56-4]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報