グロリアーナ

デジタル大辞泉プラス 「グロリアーナ」の解説

グロリアーナ〔異名〕

《Gloriana》イギリス女王エリザベス1世(在位1558~1603年)の異名。“栄光ある女性”の意。日本語では「栄光女王」ともする。エリザベス1世はほかに「処女王ヴァージンクイーン)」「よき女王ベス」などとも呼ばれる。

グロリアーナ〔小説〕

英国の作家マイケル・ムアコックの長編歴史ファンタジー(1978)。原題《Gloriana》。世界幻想文学大賞受賞(1979)。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のグロリアーナの言及

【イギリス文学】より

…E.スペンサーの《神仙女王》(1590‐96,1609)では,近代国家としてのイギリスの国力がにわかに充実したことについての誇らかな自覚と,英語を詩的表現の媒体としてしなやかに使いこなせるようになった自信とが,しっかりと結びついている。もちろんそれは〈グロリアーナ(栄光女王)〉としてのエリザベスの宮廷に向けて歌われた。騎士や姫君や,竜や巨人がくりひろげる華麗なスペクタクルは,凝ったスタンザ型式でゆるやかに歌いつがれ,さながらルネサンス宮廷のページェントを見る思いにさそう。…

【スペンサー】より

…畢生(ひつせい)の大作《神仙女王》(第1~3巻は1590年,第4~6巻は1596年,第7巻は未完)も,官能的な絵画美,音楽美を第一の特徴とするが,同時に熱烈な政治意識と,真剣な新教徒倫理観念に貫かれている。牧歌詩からスタートして叙事詩で詩人としての完成に至るという創作のプログラムは,古典文学からの伝統であり,12の美徳を表す12人の騎士のひとりひとりを各巻の主人公とし,全12巻の構成の中心に神仙女王グロリアーナ(すなわち当時のエリザベス女王)を据えるビジョンの壮大さ,および,それが個人の手に余って未完に終わるという結末は,ルネサンス的といえるだろう。古来彼が〈詩人のなかの詩人〉と呼ばれるのは,その豊富美麗なる詩語,達意の修辞・統語法,多様なる詩的型式の駆使などのゆえであろうが,これらの諸特質は思想的・倫理的バックボーンに支えられてはじめて作品に構成されえた。…

※「グロリアーナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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