日本大百科全書(ニッポニカ) 「スピログラフ」の意味・わかりやすい解説
スピログラフ
すぴろぐらふ
spirograph
プラスチック製の歯車とボールペンを組み合わせた教材玩具(がんぐ)。歯車の組合せと、ボールペンの先を入れる歯車の穴を変えれば、複雑な幾何模様が無限に変化して描かれる。イギリスの電気技師フィッシャーが1965年に考案した。ボールペンの色を変えれば、模様の色彩も自由な変化が楽しめる。また歯車の歯の数の間には数学的な比例関係があるので、この比率をくふうすれば、最初から計画的に美しい模様をつくりだすことができる。売り出しと同時に、イギリスを中心にヨーロッパで人気をよび、65年全イギリス玩具小売商組合の教育玩具年度賞、66年にはフランスの芸術玩具オスカー賞を受賞。グラフィック・デザイナーをはじめ広い階層に迎えられて、だれにでも精巧な絵が自由に描けるところから、身体不自由児の施設などでも採用されている。日本でも67年(昭和42)から出回っている。
[斎藤良輔]